【日曜メッセージ】「本当に必要なこと」

Date:2020.06.07

本日は、6/3学校礼拝でのメッセージをお届けします。

 

「本当に必要なこと」

 

「しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」

(新約聖書 ルカによる福音書 10章42節)

今日の聖書の箇所では、イエス・キリストがある村でマルタという女性の家に招かれます。マルタはイエス・キリストをもてなそうと、忙しく働いていましたが、妹のマリアは何の手伝いもせず、ただイエス・キリストのそばにいて、話を聞いているだけでした。そこで、マルタはイエス・キリストに、マリアにも手伝うように言ってほしいと頼みました。すると、イエス・キリストは次のように答えました。「マルタ、マルタ、あなたはいろいろなことに気を遣い、思い煩っている。しかし、必要なことは一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」

マリアが選んだ「良い方」――本当に必要なこととは何でしょうか。それは「イエス・キリストの話を聞く」ことでした。マルタはあれこれやらなければならないと感じ、心を乱していましたが、マリアはイエス・キリストの足もとでじっと話に耳を傾け、それを心の中で思い巡らせていたのです。

新型コロナウイルスの感染が拡大する前まで、私たちは勉強、部活動、アルバイト、友達との付き合いなどで毎日忙しく、まるでそれが必要不可欠であるかのように感じていたでしょう。しかし、休校でそれまで忙しくしてきたことがなくなってから、自分のことを見つめなおしてみると、もっと大切なことがあると感じたのではないでしょうか。日々の忙しさから解放されて、心が静かになった時、初めて自分の真の姿、自分が本当に必要とするものに気づくことができたのではないでしょうか。

聖書の中には次のような言葉があります。

すべてに耳を傾けて得た結論。

「神を畏(おそ)れ、その戒めを守れ。」

これこそ、人間のすべて。  (旧約聖書 コヘレトの言葉12章13節)

私たちにとって、食べること、働くこと、勉強すること、活動することなど、すべて大切なことですが、本当に必要なことは、神様を畏れ敬うことです。イエス・キリストの父である神様から愛されていることを認めて感謝することが、「本当に必要なこと」なのです。

(教諭 池田 淳郎)