【日曜メッセージ】「実を結ぶためわたしたちは選ばれた」

Date:2020.07.05

今日は6/30の学校礼拝のメッセージをお届けします。

「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなた方を選んだ。あなた方が出かけて行って実を結び、その実が残るようにと、」

(新約聖書 ヨハネによる福音書 15章16節)

「自分はこの世の中でどのようなことをして生きていけば良いのだろうか」。誰もが進路を決めるときに、このように思うのではないでしょうか。考えてみると、私たちはいつの間にか、この世界に生まれ出てきました。誰もが、はじめから自分の生きる目的を自覚してこの世に生まれ出たのではなく、それぞれの人生の途上で自分の生きる目的を獲得していくのです。

今日の聖書の箇所は、イエス・キリストが十字架にかけられる前夜、最後の晩餐を終えた後に弟子たちに語られた言葉です。自分の十字架での死を覚悟して、自分がいなくなったとしても弟子たちが希望をもって生きてゆけるようにと、心を込めて語られた言葉です。朽ちることのない実を結ぶために、イエス・キリストによって弟子たちは選ばれました。同じように今、そのイエス・キリストによってわたしたちは選ばれて、とわの森三愛高等学校で学んでいるのです。

では、「実を結ぶ」とはどういうことでしょう。知識や技術を身に付け、希望する仕事に就き、実績を残して世の中に貢献することでしょうか。確かにそれも実を結ぶことではあります。しかし、聖書のいう「実」とは、「愛、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です。」(ガラテヤの信徒への手紙5章22・23節)と記されています。とかく生産性や実効性が求められる現代の世の中において、これらの「実」はひ弱に思えるかもしれません。しかし、これらの「実」がなければ、いくら実績を上げたとしても、本当の意味での幸せにはなれないでしょう。

イエス・キリストは聖書を通じて、今もわたしたち一人ひとりに語っています。「いつまでも残る実を結ぶために、わたしがあなたがたを選んだのだ」と。そして神様は、わたしたち一人ひとりに最善の道を備えてくださっています。ここ、酪農学園での学びを通して、神様が備えてくださる最善の道を追い求めながら、聖書の言葉に従って歩み続けていくとき、少しずつ自分の使命が明確になっていくのです。その道こそが、イエス・キリストの言葉の通り、真の意味でいつまでも残る実を結ぶ人生となるのだと信じましょう。

(宗教部長 教諭 渡邊 淳)