【日曜メッセージ】「青春の日々にこそ」

Date:2020.10.19

10/14学校礼拝メッセージからお届けします。

「青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ」

 (旧約聖書 コヘレトの言葉12章1節)

コヘレトとは「集める人・伝える人」の意味です。紀元前10世紀頃のソロモンの言葉や、同4~2世紀頃の困難な状況で編纂されたとも言われ、当時、夢も希望も持てない若者に「青春の日々にこそ」と祈り、メッセージを残したのであります。

詩人ウルマンは「青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方を云う。…ときには20歳の青年よりも60歳の人に青春がある。年を重ねただけで人は老いない、理想を失うとき初めて老いる」と言い、俵万智さんは『サラダ記念日』の中で「青春という字を書いて横線の多いことのみなぜか気になる」と詠います。聖書も含め、青春の醍醐味はその志し、良き友との出合いにありましょう。

10月15日は新渡戸稲造さんの命日です。以前の五千円紙幣にその肖像が描かれていた人物としても広く知られます。新渡戸さんの著書『武士道』は外国語にも翻訳され、多くの国で読まれました。初代国連事務次長としても活躍、北大や北星学園でも教え、日本の国連脱退の1933年、平和を願って国際会議に日本代表で出席し、体調を壊して死んでしまうのでした。

新渡戸さんを支えたのは札幌農学校の15歳で出会った内村鑑三、宮部金吾さんら学校の友人です。良き友との出会いが互いの生涯を支え合うのです。学生時代に共にクリスチャンとなり、洗礼名で呼び合い、生涯その信仰を語りあう友となるのでした。「我らは二つのJを愛する」イエス様(Jesus)と日本(Japan)のためその身を献げようと誓い合って札幌農学校を卒業するのでした。

その影響は周囲にも及び、後に東大総長となる矢内原忠雄さんは、「内村鑑三と新渡戸稲造とは私の二人の恩師で、内村先生よりは神を、新波戸先生よりは人を学びました」と言いました。

皆さんも、青春の日々にこの酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校で学んでいます。その中で、どうか生涯に亘り慰め励まし合う良き友との出会いを得ることができるよう、心から祈ります。

(福島 義人 日本キリスト教団野幌教会牧師)