【新年日曜メッセージ】「苦難の先にある希望」

Date:2021.01.03

「わたしたちは知っているのです。苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。」

(本校の今年度の聖句・ローマの信徒への手紙 第5章3~4節)

クリスマスの喜びの時を過ごし、2021年の新年を迎えました。心よりお喜びを申し上げます。また、昨年中はコロナ禍中にありつつも、保護者の皆様をはじめ、関係の多くの方々のご理解とご協力により、生徒の皆さんと共に歩み続けられたこと、感謝いたします。

2020年はまさに新型コロナウイルス感染症対策に追われる一年間でした。この間、多くの苦難に直面してきました。生徒と共に達成を願ったいくつもの取り組みを、断腸の思いで中止したこと、大きな目標としていた活動や各種大会の制限を受け止めざるを得ないこともありました。経験したことのない社会の不安や混乱は、第三波と共に今も継続し、全国の罹患者数は過去最高を更新しています。この苦境の最前線に立つ人が沢山おられます。悲しいことに、コロナとの戦いだけではなく、心無い言葉や攻撃にさらされ、追い込まれる人がいる実態すらあります。だからこそ、私たちは今、自分のことだけでなく、真剣に周りに目を向けることが必要です。そして、自分にできる方法で、隣人を支えていく役割を果たさなければなりません。

この苦難を、私たちは家族や仲間、地域や社会と共に「忍耐」しています。忍耐の先にあるのは「練達」です。練達とは、”熟練して達人の域に至ること”と説明されます。慣れることではなく、私たちはこの苦境を乗り越える術に熟達していくのです。そして聖書は、練達の先にあるのは「希望」だと語ります。私たちが力を合わせて、今できる努力を尽くすことが、苦難の中での忍耐、練達、希望へとつながるのです。

この聖書の約束は確実なものなのでしょうか。答えは「Yes」です。聖書は続けて宣言します。このことが成し遂げられるのは「神の愛がわたしたちの心に注がれているからです(ローマ5:5)」と。私たちは、何よりもまず、神様の愛に包まれているのです。本校が掲げる三愛主義と健土健民は、この神の愛の土台の上に据えられた建学の精神です。私たちは、この新しい一年のはじめに、今年度のまとめの時となるここからの3か月を、このメッセージをもう一度心に刻んで歩みたいと思います。神様に愛されている存在として、この建学の精神の実践者として、愛する人となりましょう。

(教頭 久保木 崇)