【日曜メッセージ】 「 神は愛なり 」

Date:2022.03.06

「愛する者たち、互いに愛し合いましょう。愛は神から出るもので、愛する者は皆、神から生まれ、神を知っているからです。 愛することのない者は神を知りません。神は愛だからです。」                 (ヨハネの手紙一 4章7~8節)

聖書の語る愛には4種類あります。私たちの使う日本語では「愛」という言葉しかありませんが、新約聖書が書かれたギリシャ語では愛は主に4種類に分類されます。

1. アガペー :神様の愛。無条件の愛、見返りを求めない愛。

2. ストルゲー:親子愛。親子関係の愛、師弟関係の愛。

3. フィリア :友情愛。友達関係のような連帯感の愛。

4. エロース :本能的な愛。主に男女関係の愛、見返りを求める愛。

私達日本語には「愛」という一つしかありませんので、聖書の「愛」が、4つのどの愛のことを言っているのかなかなか理解が難しいのですが、私はこの4種類の愛はそれぞれ独立しているのではなく、関連しているものだと思います。

まず、人は生まれたときに、母親から母親から「ストルゲー」の愛を受けます。生まれたばかりの赤ちゃんは、大切に大切にされて「愛される」というわけです。そして成長する中で、友情の愛「フィリア」を経験し、男女の愛「エロース」へと発展していくのです。つまり、愛は連鎖する、と言うことができます。

「愛されたことがない人は愛することができない」ということを聞いたことがあります。幼少期に親から愛されなかった人、またはそう思っている人は、他の人をなかなか愛することができない、ということのようです。確かに人間は弱い生き物で、「誰からも愛されていない」「自分なんて生まれない方が良かった」と思ってしまうことがあります。では、もし「自分は誰からも愛されていない」と思う人がいたら、その人はもう誰も愛することができないのでしょうか。聖書にはこうも書いてあります。

ヨハネの手紙Ⅰ 4章19節「わたしたちが愛するのは、神がまずわたしたちを愛してくださったからです。」

つまり、アガペーの神の愛があるから、トルゲーの親子愛があり、フィリアの友情愛、男女のエロースの愛があるのです。そして、聖書が語る父なる神様は、私達すべての人間を愛してくださっているのです。そこにはいい人も悪い人も、男も女も関係ありません。全ての人を神様は愛してくださっているのです。

神様からの愛を受けて、私たちも互いに愛し合いましょう。

( 聖書科 新井 昭雄 )