【日曜メッセージ】 「若い時にしておきたいこと」

Date:2022.05.08

「青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ。」

(コへレトの言葉 12章1節)

 

私の地元は北見市である。北見市の片隅で、毎週教会に通う家族があった。そこに住む少年は、家でも聖書を読む時間を守っていた。午後6時半からの10分間。その時間は中学校後半から高校卒業までは少なくとも守られていた。聖書は見ての通り厚い。別に完全読破を目指しているわけではない。とにかく心を静めて家族1人1人が口に出し、家族順番に一節ずつ読む(輪読と言います)のである。

生活の一部となっていることが、実は自分の血や肉になっていることを実感するのは、まもなく半世紀を生きたことになる私にとっての実感になっている。それくらいたったときに初めてわかることなのかもしれない。

こうしたことで思うのが、若い時代にした経験は、その人を形作るということである。若い時に聞いた言葉は、ひょっとすると皆さんの人生を何か変える言葉が含まれているかもしれない。教員として日々生活をしながらその責任の重さを日々自覚しなければならないと思う。同時に、この情報があふれる社会の中で、あまり聞く必要がない情報ばかりに気を取られて、自分の成長の糧となる言葉をきちんと自分の中に蓄えているかどうか。意識的にそういったことを行っていくことができるとなおよいと思う。

また、何かに熱心に取り組んでいる生徒は時間がなさそうに見える。ただ、そういう生徒はともすれば、課題に追われることが多く、じっくりと考える時間が持てない。そうした時に自分の方向性が誤ったところに進むことが心配される。礼拝の時間を通して、週に一度、落ち着いて今の自分を振り返る時間をもつことは大切にしたらよいと思う。

 

数学科 石橋 紀彦