【日曜メッセージ】 「希望を受け継ぐものたち」

Date:2022.05.15

~「三愛主義」と「健土健民」~ 」

 

「心の目を開いてくださるように。そして、神の招きによってどのような希望が与えられているか、聖なる者たちの受け継ぐものがどれほど豊かな栄光に輝いているか悟らせてくださるように。」           

(エフェソの信徒への手紙1章18節)

 

 今日(5月11日(水))の開校記念礼拝は記念と感謝の時であります。本校は1991年「とわの森三愛高等学校」として開校されて32年目を迎えました。始まりは1933年に設立された北海道酪農義塾でありますが、校名や教育課程は時代の必要に応じて変化してきした。しかし、様々な変化の中でも変わらずに受け継いできたことがあります。それは聖書に基づく「建学精神」である、「三愛主義」と「健土健民」であります。

戦争で国が、特に北海道の農村が窮乏のどん底に落ちた苦難の時代に、現実を直視しながらも、未来の希望を見たのが酪農学園の創立者黒澤酉蔵先生でした。先生はデンマ-クの歴史にならい北海道の大地を酪農によって肥沃にし、農業・農民の発展に希望をもって本校の母体になる北海道酪農義塾を創立されました。

19世紀初頭、デンマークは敗戦によって肥沃な国土を失いとても小さくて貧しい国になってしまいました。そのデンマークを世界が憧れる福祉国家に復興させた根底には「三愛精神」を主唱したグルンドビー牧師の信仰と愛国の情熱、そして継承者たちの献身的な働きがありました。本校はそれにならい、黒澤先生などによって創立されたのであります。

開校記念日を迎え私たちは改めて過去を思い起こし、現在を直視し、未来の希望を見る時だと思います。すでに、私たちは神様の招きによって希望を受け継ぐものとしてここにいるのであります。使徒パウロは「神を深く知ることが出来ますよう心の目を開いてくださるように」と、神様の教えを受け継いだ人たちのために感謝と願いを祈りました。その開いた目で「神の招きによって与えられている希望を、受け継ぐものの豊かな栄光と、働きなさる神の力の大きさを悟らせてくださるように」と。私たちの祈りでもあります。

 

酪農学園宗教主事 朴 美愛