【日曜メッセージ】 「 共に喜び、共に泣く 」

Date:2022.05.29

「一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです。」

(コリントの信徒への手紙一12章26節)

 

新しい学年が始まって1か月を過ぎましたが、皆さんのクラスは、どんなクラスですか?似た者同士の集まりですか?それとも個性派揃いの集まりですか?その中で、どんな人と仲良くなりましたか?クラスの中であなたは、どんな役割をもつ存在ですか?

人はどうしても、何かできると優れていて、それができないと劣っているという見方をしてしまいます。

その人が「何をしたか」という観点から考えると、例えば赤ちゃんは寝たきりで、泣いて、周囲に世話をかけるだけで、何の役にも立っていないことになります。

しかし、赤ちゃんは、そこにいるだけで周りを和ませ、笑顔にし、人々を幸せにしてくれます。

それはなぜでしょうか?何かをしたからでしょうか?ただそこにいるだけです。存在していること、それ自体が喜びと感謝を湧きあがらせ、愛おしく感じさせます。

例えば、あなたの大切な人が事故で意識不明の重体で命さえ危ぶまれる状態だとしましょう。このときあなたは、その大切な人が「何をしたか」など考えません。生きているだけで嬉しいと感じるはずです。「生きている」というそれだけであなたの心の支えになっている、役に立っているのです。

この視点に立ってみると、何かができるから価値があるのではありません。みなさんは存在しているだけで感謝だし、誰もが大切な存在なのです。これこそが、神様の視点であり、神の愛です。

一見弱いように見える存在にこそ、余計なものがないがゆえに、大切なことに気付かせてくれる力があるのかもしれません。皆さんも自分の弱さ、他人の弱さにこそ感謝しつつ過ごしていけたらいいですね。

 

農業科 西川 謙