【日曜メッセージ】 「 空の鳥、野の花 」

Date:2022.06.05

一般に人生の最大の関心事は「どのように生活していこうか」という問題です。イエス・キリストはそれを「何を食べようか、何を着ようか」という具体的な表現にしました。現代ではお金が全ての価値の代用品ですから、この問いは、「どうしてお金を得ようか」という問いに帰着します。そのために、これからどのように生きたらよいのだろうか、と人は思い悩むのです。

そのような私たちに対して,イエス・キリストは,思い悩んだからと言って、寿命をわずかでも伸ばすことができるだろうか、と言います。生まれる時と死ぬ時という人間存在の最も基本的なことを自分で決めることができないものが、人生の中の他のことを決めることができるかのように考えて思い悩むことは、神様に対して高慢ではないかと言っているようです。

そして、空の鳥と野の花を見なさい、と語ります。空の鳥は自分の将来を心配することなく、自分が置かれている境遇に不平を言うことなく、ただひたすら喜び歌っている。また,野の花は自分がどんなところにあろうと、またどんな姿をしていようと、疑問に思うことなくそれぞれのあり方で、きれいに咲いている。イエス・キリストは、私たち人間もこの空の鳥や野の花のように,思い悩むことなく生きるように教えます。

将来どうしようかとあれこれ悩むのではなく、自分にはあれがないこれがないと不平不満を言うのではなく、野の花や空の鳥のように、ありのままの自分を受け入れ、神の教えに従って、感謝しつつ今自分が出来得る事を少しずつやっていこう、与えられた役割を忠実に果たしていこう、そうするなら、神様は私たちに必要なものを与えてくださる、そう信じて歩んでいきましょう。

 

宗教部長 渡辺 淳