【日曜メッセージ】 「 新しくされ、前に進む 」
Date:2023.01.22
「だれも、新しい服から布切れを破り取って、古い服に継ぎを当てたりはしない。そんなことをすれば、新しい服も破れるし、新しい服から取った継ぎ切れも古いものには合わないだろう。」 ルカによる福音書5章36節
今日の聖書の個所は、イエス様が当時の信仰深い人々からすると、行儀の悪いことばかりするので、注意をしたことに対する返答の一部です。この時代には、断食して祈る、安息日には何もしてはいけない、罪人とは一緒に食事をしない、など皆が代々先生や親から教わった規則がたくさんありました。
古い服に継ぎを当てるのではなく新しい服を着なさい、葡萄酒の古い革袋ではなく新しい葡萄酒は新しい革袋に入れなさい、とイエス様はいうのです。
さて、これはどういう意味でしょう。「新しい服」を着るのは「新しくなったあなた」、「新しい革袋」に入れる「新しい葡萄酒」とは、やはり「新しくなったあなた」のことです。そして「新しい服」、「新しい革袋」とは何でしょう?それは、イエスキリストによる教えです。
しかし実は、イエス様の「新しい教え」とは、神様から何千年にもわたり過去に届いたメッセージを忘れて切り離されるのではなく、かえって本来の意味に立ち返らせるものでした。旧約聖書申命記6章5節に「あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい」とあります。
神を愛するということは、とても身近で簡単なことでもあるのに、肉体を持つ人にはとてつもなく難しくもある。イエス様は、人の姿となり、その困難を覚えて、十字架に付けられる間際に、弟子たちにこう言うのです。
「あなた方に新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなた方も互いに愛し合いなさい。互いに愛し合うならば、それによってあなたがたが私の弟子であることを、皆が知るようになる。」(ヨハネによる福音書13章34節)
私たちは人間ですから、たとえ信仰を持ったとしても、それでも過ちを繰り返してしまう。愛を忘れて喧嘩したり、つらい気持ちになってしまったりする。しかしその度に、イエス様の行い、教えを思い出し、互いに愛し合うことを思い出すことで、神様を愛し、愛される関係に立ち返れば良いのです。それがイエス様のたとえ、新しい服、新しい革袋ではないかと、私は思います。
皆さんも、ご両親や友達と話をしたくないことがきっとあるでしょう。今はぎくしゃくしたことが、誰にもあると思うのですが、互いに愛することを思い出すことで、新しくされて命を与えられることを、何かの機会に思い出していただければ幸いです。
酪農学園大学獣医学類 蒔田 浩平