【日曜メッセージ】 「 しかし、主の言葉は 」

Date:2023.01.29

「人は皆、草のようで、その華やかさはすべて、草の花のようだ。草は枯れ、花は散る。 しかし、主の言葉は永遠に変わることがない。」

ペトロの手紙一1章24~25節

 

「主の言葉は永遠に残る」は旧約聖書のイザヤ書40章7~8節からの引用です。かつて大国バビロニアの侵略で国は崩壊、有能な人々は奪われ、再建すべき残された人々は希望を失い、国土は更に荒廃する中、この言葉を用いて人々を励ましたのが預言者イザヤです。歳月が経ち人々が希望を失う時、ペテロの手紙はやはり人々を励ますためイザヤの言葉を記すのでした。

1864年、デンマークは戦争に敗れ、豊かな大地の三分の一と人々を当時の隣接するプロイセン、今のドイツに奪われ、九州ほどの広さに縮小します。希望を失い荒廃するデンマーク国民の心を励まし復興へと導き、今や国際競争力世界一の国へと導く大きな力となる始まりは、グルンドウィ牧師の希望を失った国民に、聖書に基づく三愛主義をもって復興を呼び掛けたのが始まりでした。

後に考えに共感した一人が、学園創立者の黒沢酉蔵先生です。「とわの森三愛」の三愛はグルンドウィ牧師の理念を基づく名称で、牧師の肖像画も置かれています。

この学園同様、戦後の同じ頃に大阪河内長野に設立された清教学園もグルンドウィ牧師の三愛主義をもって、戦争で荒廃した日本を再興しようと設立された学校です。創立者の植田真一先生もクリスチャン。学校に建てられた石碑には、先程読まれた聖書の言葉が刻まれます。悲惨な戦争体験から、神なき教育は知恵ある悪魔を作り出すと「この信仰に立つならば、どんな時代がきても安泰であると思う」と記すのでした。

たとえ荒廃しても希望の源泉の聖書が私たちには残されていることを覚えたいのです。もしかすれば、デンマークとほほ同じ人口に、国土の二倍の面積を有する北海道なのです。やがて世界的国際力を有する恵まれた所となるかもしれませんよ。

 

日本基督教団野幌教会牧師 福島 義人