【日曜メッセージ】 「 成長点 」

Date:2023.03.05

《 卒業記念礼拝 》

わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です

 (コリントの信徒への手紙一3章6節)

 

ご卒業の皆様おめでとうございます。コロナ禍での制約の3年間、楽しいことも辛い事もあったと思います。卒業は大切な人生の通過点。「流した涙の数だけ優しくなれる」の歌がありますが、入学当初よりも一段と優しい顔になって卒業されてゆくのかもしれません。

人生には何度も分岐点が続きます。交差点という人もいます。GRAYのBELOVEDは「やがて来る それぞれの交差点を迷いの中、立ち止まるけれど、それでも人はまた歩き出す」と歌います。小舟は漕ぐのを止めると波に揺らされます。迷っても漕ぎ出せば波を楽しみ進めます。

パウロはキリストを伝える伝道の旅を続けました。先の見えないトラブル続きの旅を支えるのはキリストの心を自分の心にして歩むことでした。パウロが創立したコリントの教会で後の指導者アポロかパウロかで対立するのを聞きます。パウロからすれば対立する人もキリストに捕らえられた仲間。キリストの心に重ねて記したのが「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神」ですと。成長が完了した様な訳ですが原文は未完了ですから成長は止まっていません。神様によって互いに成長してゆく中に希望があります。

植物は茎や根の先に生長点があり、細胞分裂を繰り返して成長するそうです。植物は色も形も大きさも様々ですがどれも神様に押し出されるように成長しゆきます。パウロはそんな姿を人々に重ねて記すのです。誰もが成長途上です。ここでの学びが想い出だけに留まらず次の新しい歩みに生かされますよう神様の祝福を祈ります。

 

日本基督教団野幌教会 福島 義人