【日曜メッセージ】「 追い求めるべきもの 」

Date:2023.05.07

連休をいかがお過ごしですか。今日はショート礼拝のメッセージからお届けします。

「すべてのことが許されている。」しかし、すべてのことが益になるわけではない。

 ・・・・・・だれでも、自分の利益ではなく他人の利益を追い求めなさい。

(コリントの信徒への手紙Ⅰ 10章23~24節)

私たちには自由があることを今日の聖書は教えます。「すべてのことが許されている。」この言葉が二度繰り返されます。この言葉にはインパクトがあります。究極の自由を表現しているともいえるでしょう。とても大胆な言葉であるがゆえに、私たちを惹きつけます。「何でもしてよい。」「どんなことでも思うままだ。」そんな言葉に極端に解釈されてしまう危険すらあります。しかし、自由とは「放縦」や「好き勝手」とは違います。自由を本当の意味で用いるための大切な視点を今日の聖書は私たちに与えてくれるのです。

二度の繰り返しにそれぞれ続いて語られる言葉に、その警告ともいうべきことが書かれています。「すべてのことが益になるわけではない」「すべてのことがわたしたちを造り上げるわけではない。」自由にもやはり制限があるのかと思わせる言葉に聞こえますが、それは違います。自由の意味が、自由の価値が、一番高められるために、私たちが気付くべき視点があることを指しているのです。

私たちの目の前に二つの選択肢が用意される時があります。人生の選択と言ってもよいでしょう。あなたはどちらを選ぶこともできる自由がある。あなたは、何を基準にその選択肢から選びますか。自分にとって楽なものですか。自分にとってうれしいものですか。自分にとって一番利益のあるものですか。自分にとって・・・。その視点の結果選ばれたものは、自分のためのものにとどまります。

聖書は教えるのです。「他人の利益を求めなさい。」と。そこにこそ本当の価値があるからです。相手のために、仲間のために、社会のために、あなたが自由をもって選んだそのことが、共に生きる世界を実現するのです。ここにこそ、神の祝福が約束されるのです。

(宗教部長 久保木 崇)