【日曜メッセージ】「 目標を目指して 」

Date:2023.10.30

「なすべきことはただ一つ、後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ、神がキリスト・イエスによって上へ召して、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです。」(フィリピの信徒への手紙3章13~14節)

皆さんには今、どんな目標がありますか。熱心に学んでいることや活動していることの成果を得ること、進路を実現し達成すること、人生を幸せに生きることなど、たくさんの目標があるかも知れません。その全てがこれからに向かうもの、すなわち前を向くものです。

後ろのものは、前に向かうあなたを後押しするものです。でも人間には、後押しではなく、むしろひきずっているもの、とらわれてしまっているものがあるのではないでしょうか。後悔や反省、後ろめたさや失意など、わしたちを過去に縛り付ける思いがありませんか。それが前に向かうことを妨げる力だと気づくことも、私たちにとっての前進のために必要なことです。

「よくやった。」そう言われることはとてもうれしいことです。私たちは、自分のためにとどまらず、誰かのために自分の力を用いて成し遂げる時、大きな達成感を手に入れることができます。私たちの人生において、この積み重ねは次なる目標に向かう新たな力となるものです。ただし、この「成功」も落とし穴となる時があります。将来の目標をもう獲得してしまったかのように勘違いすることがあるからです。そこにはおごりや高ぶり、慢心という落とし穴があることを聖書は注意喚起します。目標を目指しているということは、まだそこに到達していない自分を素直にとらえてへりくだり、そして謙虚さを心に持って前進することそのものなのです。

あなたが前を向くために、十字架で命をかけて私たちを導いた方がキリストです。その方が共におられるからこそ、私たちは後ろのものを忘れて、前を向いて(神に向いて)進むことができるのです。神に向くことは謙虚さを必要とします。神は人に道を与え、辛くても、困難があっても、試練の先にある喜びを用意してあなたに期待しているのです。神がくださる栄冠(ゴール)を目指して歩んでいきましょう。

(宗教部長 久保木 崇)