【日曜メッセージ】「 喜びの知らせ 」

Date:2023.11.05

「福音には、神の義が啓示されていますが、それは、初めから終わりまで信仰を通して現実されるのです。「正しい者は信仰によっていきる」と書いてある通りです。」

     (ローマの信徒への手紙1章17節)

皆さんにとっての「喜びの知らせ」とは何でしょうか。いろいろあると思いますが、過ちを犯したので離れてしまった友から、何もしなかったのに『あなたの過ちを赦す』と、言われるなら「喜びの知らせ」(福音=救い)になるでしょう。

1517年10月31日、世界を変化させた「宗教改革」という大きな出来ごとがありました。当時、免罪符というものが販売され「免罪符を買うことで、死者の魂の償いが行える」と、言っていました。皆さんは何らかの物を買うことによって、罪が赦されるというならば買いますか。そのようなものはあるはずがないと思うのでしょう。しかし、現在、社会的問題になっている新興宗教やカルト集団などでは、先祖の苦しみを解放する、という理由で多額の献金が強要されたり、とんでもないものを高額で買わせたりすることが実際に行われています。人の弱いところ、痛いところを利用して、彼らの集団は莫大な富を蓄積し、彼らだけの王国をつくっています。

聖書は、「福音は、ユダヤ人をはじめ、ギリシャ人にも、信じる者すべてに救いをもたらす神の力だからです。」(16節)と、伝えています。「力」とはダイナマイトの語源になったギリシャ語のデュナミス(Dynamis / Dunamis)で、爆発的な力で、人・社会・世界を変化させる力であります。この「神の力」、「正しいものになる」との知らせこそが「喜びの知らせ」なのです。

この知らせは、民族や性別や身分などを超えるすべての人に差別なく平等に与えられており、ただ「信じること」・「信仰」によることなのです。だから、「喜びの知らせ」なのです。信仰によって正しい者にされる世界がある、と聖書は伝えているのです。皆が縛られている様々なことから、自由にされ、「喜び」の日々を生きることが出来ればと願います。

(酪農学園宗教主事 朴 美愛)