【日曜メッセージ】「 新たにされて 」

Date:2023.11.19

だからわたしたちは落胆しません。たとえわたしたちの「外なる人」は衰えていくとしても、わたしたちの「内なる人」は日々新たにされていきます。

 (コリントの信徒への手紙Ⅱ 4章16節)

私たちすべて命あるものは、成長してさらにその先、衰えて老いていきます。それは神の定めた秩序ともいえるでしょう。でも人間はそれにあらがうのです。少しでも若さを保とうとし、美しさを維持しようとする。それは人間の最も元気で力に満ちた充実している時期に対する強いあこがれとこだわりとも言えるでしょう。でもそれには限度があることも、私たちは知らされるのです。

確かに限界もある私たちですが、心の中にあるものは違っていることに気づきませんか。私たちの心にある大切な思い出や、貴重な経験、鮮明に残る記憶は古びて行くでしょうか。やがては記憶が薄れて忘れ去られていくだけでしょうか。親友との関わり、親子の関り、恩人との関り、大好きな人との関わりなど、皆さんの心の中には、何よりも一番大切にしていることが、古びることなく残っていく。いつでも鮮明に思い起こすことができる人と人との人生の重要な関わりが、あなたにもあることでしょう。

私たちの心の中に残っていくものとして、何よりも本当に大切なものは神との関りであることを、聖書は教えています。その関わりは、目には見えませんが全ての人の人生を変えるものです。神との関わりに正面から向き合う人は、いつも新しくされる生き方が与えられます。それは、神の子としてこの世界に来られたイエス・キリストとの関わりから始まるものです。キリストの誕生から十字架と復活まで、その全ては、人の人生を新しいものとするための神からの贈り物としての意味があるのです。このキリストと私たちの関りこそが、大切な命の関わりなのです。私たち人間は神によって造られた者です。その私たちにとって、本当に重要なものは、神の命に生き、生かされるということなのです。

近づいてきたアドベント(キリストの降誕の記念日を待ちわびる4週間の待降節)に向けて、そしてクリスマスに向けて歩む一日一日の中で、永遠のものを日々新たに与えてくださる神と向き合って生きていく者となりたいと思います。

(宗教部長 久保木 崇)