【日曜メッセージ】 「運命に逆らえ」

Date:2023.11.26

「わが子よ ならず者があなたを誘惑しても くみしてはならない。」

( 箴言 1章10節 )

人生は思い通りにはいかないことが多い。「こんなはずではなかった」とつぶやいた人は多いのではないか。

今日の聖書には「何もかも運命だ」と言う人たちがいると書かれている。本当にそうだろうか。何もかも運命で片付けてしまえるのか。この運のなさは生まれ持ったものなのだろうか。

「親ガチャ」という言葉がある。こどもは親を選べずに運任せという意識から生まれた言葉。アプリガチャのように、確率の悪い運次第で人は生まれ、運の悪さから逃れられないのならば、生まれた最初から勝ち組と負け組が決まっているようなもの。それは本当か?

私の親ガチャは完全にハズレ。しんどい思いとやるせない思いをどこにぶつけて叫べば良いのか。怒りのエネルギーは溜まる一方。吐きださないと自分は壊れる。そうなると、周りの人々に責任を押し付けたくなる。そして人を無性に傷つけたくなる。そして、そんな自分を呪いたくもなる。そんな時を過ごした自分が、今はキリストによつて救われ、牧師となっている。

今の状況が悪い、イヤだと思う人はいませんか?それは誰のせいでもないはず。ましてや、あなたのせいでもないはず。運命から逃げられない…はずはない。

では、どうしたらこのしんどい状況から抜け出すことができるのか。だからこそ、宗教があり、キリスト教がある。そして牧師がいる。キリスト教はステキな人間になるためのものではない。むしろ、しんどい状況を少しでも和らげるために存在する。キリスト教の最大の意義はそこにあると私は言いたい。

ため込んだ怒り、負のエネルギー。しんどくなって誰かを傷つけたくなったら、教会に来て下さい。牧師を傷つけて下さい。仲間を痛めつけるよりかはよっぽどマシ。

そのために教会と牧師は存在する。スッキリしたら運命に逆らおう。そして堂々と生きよう。

(日本基督教団札幌手稲教会牧師 原 和人)

11月22日学校礼拝メッセージより