【日曜メッセージ】「 試練の時にも 」

Date:2024.01.21

「わたしの兄弟たち、いろいろな試練に出会うときは、この上ない喜びと思いなさい。信仰が試されることで忍耐が生じると、あなたがたは知っています。あくまでも忍耐しなさい。そうすれば、完全で申し分なく、何一つ欠けたところのない人になります。」

(ヤコブの手紙1章2~4節)

能登半島地震において被災され、まさに今、辛く悲しく、あまりに大きな試練と立ち向かわれている方々のことを思い、心からのお見舞いを申し上げます。

2024年の新年を迎えました。心新たに新鮮な思いを持つ時です。新たな一年に、新たな聖書からの語り掛けに思いを向けたいと思います。それと同時に、実際に直面している各種の課題に、私たちは向き合っていきます。元日から深刻な震災が発生、翌日には目を疑うような航空機事故が報じられました。それらの痛みを私たちは隣人のこととして、自分に関わることとして意識しているでしょうか。世界では戦争が続き、対立と暴力が席巻しています。貧困、差別、格差、病気など、あまりに多くの問題が積み重なっている現実と向き合っていることを、私たちは意識し続ける必要があります。

今日皆さんと開いた聖書の言葉は、今年1月6日に「4年越しの卒業式」に集まった卒業生と共に開いた聖句です。新型コロナ感染症のために卒業式が中止となった学年の仲間が、4年間の人生を経て再びこの礼拝堂に集まりました。当時、仲間と一緒に集えない辛さの中、同じ気持ちを共有しつつ試練に向き合ったことを彼らは忘れないでしょう。今日の聖書の言葉は、彼らが在学中に年度聖句の一つとして皆で読んだ聖書の言葉だったのです。不思議な導きを感じます。いま改めて、この言葉が2024年にも語られるべき言葉として私たちに迫ってきているように思います。

この厳しい時代に、聖書は私たちに試練と向き合うことの深い意味を考えるように教えます。できることであれば避けたい、逃れたいと思うのは人間の正直な姿でしょう。しかし、試練は迫りくるのです。その厳しさに一人で立ち向かえるほど私たちは強くない。仲間が、そして隣人が必要なのです。そして何があっても共におられる神が試練の時にも私たちと共におられるのです。あなたが試練に立ち向かうときにも、隣人の誰かが試練に立ち向かっているときにも、それを共に担い、神が共にいてくださることを信じて支え合っていきましょう。今、私たちに何ができるのか、そして、共におられる神は私たちをどのように用いてくださるのか。そのことを思いめぐらしながら、2024年も過ごしたく思います。

(宗教部長 久保木 崇)