【日曜メッセージ】「主の御心を自分の心として生きる」
Date:2024.09.15
「あなたがたはこの世に倣ってはなりません。むしろ、心を新たにして自分を変えていただき、何が神の御心であるか、何が善いことで、神に喜ばれ、また完全なことであるかをわきまえるようになりなさい。」
(ローマの信徒への手紙12章2節)
パウロは、復活のキリストに出会い、生き方を大きく変えられた人物です。そして、外国にキリスト教を広めた人物です。つまり、キリスト教が世界に広まる礎を築いた人物なのです。
パウロは外国の町でユダヤ人の家庭に生まれ、エルサレム生まれのユダヤ人に対して劣等感を抱いていました。もっと律法を学びたいと思い、パウロは、エルサレムへ行き、律法を熱心に学びました。学んだパウロは穏健なファリサイ派に入り、熱心に律法を守ろうとしました。ところが、自分はこんなに熱心に律法を守っているのに、その律法を破壊するようなことをしているグループがユダヤ教の中にある。パウロは、それは許せない、絶滅させなければ、と怒りをぶつけました。
そのパウロに転機が訪れます。復活されたイエス・キリストとの出会いです。この出会いをきっかけにパウロは生き方を180度変えられました。迫害者から伝道者へと変えられたのです。パウロはイエス・キリストが十字架につけられた意味を考え、キリスト教会を迫害していた自分に、キリスト教を異邦人に伝える使命が与えられた意味を考えたでしょう。パウロは自分の心としっかりと向き合い、対話したと言えます。
そこでパウロは十字架につけられた姿で自分と出会ってくださったイエス・キリストから学ぼうとしたのです。自分の目の前にはっきりと示された、十字架上で無残な姿をさらされたイエス・キリストを、自分の心に刻んで生きていこうと決心したのです。
キリスト教の伝道者となったパウロは復活されたイエス・キリストと出会う前の生き方を意識します。過去の自分と同じ行動とならないために、「自分の心を無にして、イエス・キリストに明け渡そう。イエス・キリストの御心を、自分の心として生きていこう。」と考えたのでした。
私たちは礼拝の中で、聖書に書かれている神の言葉に聞き、「心を新たにして自分を変えていただき、何が神の御心であるか、何が善いことで、神に喜ばれ、また完全なことであるかをわきまえるようになる」のです。少しずつ、イエス・キリストの御心を自分の心として生きるように私たちは変えられていくのです。
(東北学院榴ケ岡高等学校 宗教主任 西間木 順)