【日曜メッセージ】「神の愛から離されることなく」

Date:2024.10.20

「どんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのです。」 (ローマの信徒への手紙8章39節)

  ローマにいるキリスト教徒(当時は本当に少数者でした)に、思いを込めて手紙を送った伝道者パウロ。キリスト教を世界に伝えた彼は、ローマにおける迫害や混乱で苦労をしているローマの教会こと、多くの問題とぶつかって悩んでいる人々のことをよく知っていたのです。

 現代を生きる私たちにも、多くの問題が押し寄せてきます。幸せな将来はあるのか、確かなものはあるのか、急速に変化する時代の波に不安になる時もあります。そんな時に、何が正しいのかわからなくなってしまいそうになりませんか。今やっていることは本当に意味があるのか。世界の平和はいったいいつになったら実現するのか。諦めの思いが心を揺さぶる時はありませんか。

 しかし、聖書は私たちに教えるのです。神は変わらない。神の愛は変わらない。「キリストの十字架」という命がけの救いが実現し、神の愛と救いは確定した。これはもう崩れることはない。だから、その神の愛から私たちが離されることはないと宣言するのです。

 今日の聖書にも現実に直面する数々の試練が指摘されています。しかし、全てを支配している神が、私たちのために向き合ってくださり、変わらない愛を向けてくださるとの確信がパウロにはあるのです。多くの苦難をパウロは経験してきたのでした。キリストはその全ての苦難を既に受けられたのだということをパウロは思っていたことでしょう。そのことが、目に見える苦難も、目には見えない苦難も、どれも私たちを神の愛から引き離すことはできないという確信につながっているのです。

 私たちが人生の目標に向かって歩む時、愛の神が伴ってくださっています。あなたに使命を与えて、あなたに進むべき方向を示す神がおられるのです。その神が共に歩んでくださる人生ならば、どんなに困難であっても、厳しい試練があっても、何も恐れることはありません。この確かな人生を生きようではありませんか。

(宗教部長 久保木 崇)