【日曜メッセージ】「平和の作り方」

Date:2024.11.03

「できれば、せめてあなたがたは、すべての人と平和に暮らしなさい。」 

(ローマの信徒への手紙 12章18節)

 

 今日は皆さんに絵本を紹介します。「かわいそうなぞう」(土屋由岐夫 作)という本で、実話を元にしているノンフィクション童話です。

 2016年に、東京の井の頭自然文化園の象「はな子」(推定69歳)が死んだというニュースがテレビなどで大きく報じられました。動物園で人気の象が死んだということで、多くの人にとって関心のあるニュースでした。ところで、どうして「はな子」という名前がこの象に付けられたのかは、実はあまり知られていません。そこには、戦争中の東京・上野動物園で、ゾウが殺処分を受けたという戦争の悲しい歴史があるのでした。

 争いはなぜ起こるのでしょうか?無理に利益を得ようとしたり、考え方の違い等、様々な理由がありそうですが、原因の一つに「報復(復讐)」があるのではないかと私は思います。

 「報復の連鎖」ということばを聞いたことがあるでしょうか。やられたらやり返す、これの繰り返しで終わりが無いことを意味します。しかも、やられた以上にやり返すと、どんどん報復内容が大きくなっていってしまいます。今現在でも、これが理由で紛争が続いている地域があるのです。では、どうしたらこの連鎖を終わらせることができるのでしょうか。平和の作り方をみんなで考えましょう。

 聖書には次のようにもあります。

 愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。「『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』と主は言われる」と書いてあります。 (ローマの信徒への手紙 12章19節)

(聖書科 新井 昭雄)