【日曜メッセージ】「神の国における成長」

Date:2025.01.26

「神の国は何に似ているか。何にたとえようか。 それは、からし種に似ている。人がこれを取って庭に蒔くと、成長して木になり、その枝には空の鳥が巣を作る。」

   (ルカによる福音書13章18・19節)

 イエス・キリストは、「神の国」をからし種に譬えられました。からし種はこの世界にある植物の種の中でも、非常に小さな種で知られています(0.5㎜~1㎜)。しかし、その成長の結果は鳥すら枝に宿らせる木ほどになる。小さなところから大きくなるのです。

 また、キリストは神の国をパン種にたとえました。とてもわずかな量ですが、それがパンを大きく膨らませ、多くの人を養い育て、その空腹と必要を満たしていくのです。

 どんなに小さくても、どんなにわずかでも、神の国の真実があり、神の国の命があり、神の国の愛がそこにあるならば、神の国は大きく大きく実現することをイエス・キリストは譬え話で分かりやすく表現されたのでした。

 神の国は神が支配される国のことを指しています。その神が、私たちに神の国の種を、神の国のパン種を託してくださるのです。それを私たちに与えようとするのがイエス・キリストです。その十字架が私たちのためだと信じるならば、神からの真実と命と愛が与えられます。その成長の結果を、神は祝福の内に実現してくださるのです。

 しかし、今、世界ではこれとは真逆のことがあちこちで起きています。私たちはそれに巻き込まれそうになります。人間の悪意や敵意、利己心、支配欲、虚栄心、排他主義、争いや不和、暴力と戦争、それらの人間の心から出て来る罪と欲望が、私たちごとこの世界を飲み込もうとするのです。

 その課題多き世界で、私たちは今も神から語り掛けられています。あなたの人生を神は愛で満たし、この世界に神の国を実現するための小さな種・パン種を与えておられます。皆さんはこの学校と出会うことで、キリスト教と出会い、聖書に出会うことで、キリストを知るものとなっています。その意味を考えることから始めたあなたは、今、その神の国の安らぎに招かれいる。そのあなたは、神の国の成長と共に大きく成長させていただけるのです。神の国での成長を願いつつ、一年を締めくくる年度末に向けて歩んでいきましょう。

(宗教部長 久保木 崇)