【日曜メッセージ】「立ち上がって賛美する」

Date:2025.11.02

その人はすぐさま皆の前で立ち上がり、寝ていた台を取り上げ、神を賛美しながら家に帰って行った。 人々は皆大変驚き、神を賛美し始めた。

(ルカによる福音書5章25~26節a)

 聖書の中に奇跡の記録がたくさんあります。その中でも、今回は屋根をはがしてでも、イエス・キリストに仲間の病をいやしてもらおうとした人々の話です。もちろん、中風の人も癒されたいと思っていたことでしょう。しかし、ここに中風の人を運んできた仲間たちが、癒しを信じていたということなのです。イエスはこのとき、彼らの信仰に目をとめて、「人よ、あなたの罪は赦された」と宣言しました。

 しかし、これにクレームが付きます。見聞きしていた律法の教師やファリサイ派の人たちは、「罪を赦せるのは神のみだ」と言って、イエスの発言を神への冒涜だと非難したのです。しかし、イエス様は、ご自身の権威をお示しになるために、人の目にはもっとすごい奇跡と映る方法で神のなさることのすばらしさを実現されました。イエス様が「起き上がるように」お命じになると、そう、この中風の人は癒されて、立って歩いたのです。

 共にいる人の信仰が、病気の人の癒しという奇跡に結び付きました。この学校も共に生き、共に歩むことを大切にしていく学校です。互いを愛すことで、人を愛すことを実践していくことを目指すのです。奇跡の後、みんなで喜びながら屋根を直して帰っていったことでしょう。ここで注目したいのが、喜びと感謝が賛美となっていくということです。神様のなさる奇跡に純粋に感謝することと、不平不満の理屈を並べることの両者が対比されていますが、神様と思いを一致させて神様と共に歩んでいるのはどちらだったでしょうか。癒された奇跡を喜んで受け入れることができない人は、なぜこの喜びを共有できなかったのでしょうか。

 この男の癒しと賛美は、人々を驚かせ、賛美を伝播させていきました。そこには喜びを共有し、神の幸いを共有する仲間がいる。私たちも立ち上がって賛美する仲間になりましょう。キリストが降誕されたクリスマスの奇跡を振り返る時が近づいています。そして、コロナから賛美を取り戻して2年半が経過する今を過ごす私たちは、神様の素晴らしい御業を喜んで、みんなで賛美する機会を毎週の礼拝で、そしてクリスマスで共有していきくことのできる人でありたいと思います。

宗教主任 久保木 崇