【日曜メッセージ】「新しい道が始まるクリスマス」(クリスマス礼拝)

Date:2025.12.28

ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。

(ルカによる福音書2章12節)

 メリー・クリスマス!

 救い主、イエス・キリストの誕生を記念するこの日に、私たちは本当のクリスマスの意味を知らされているからこそ、礼拝でそのことを祝います。

 最初の最初のクリスマス、今から2000年以上昔のこと、この出来事を星の動きを観測して知った東方の国の占星術の学者(博士)たちが今日の聖書には登場しています。彼らは外国人でありながら、この大切な出来事を知ることができた、当時の中では最高峰の学問に通じていた人たちであったということができます。でも、聖書が本当に告げようとしている意味は、彼らが偉い学者であったということよりも、外国人であったことなのではないかとの指摘があります。救い主メシアの誕生は、ユダヤの王という域をはるかに超えて、世界の救い主としてキリストはお生まれになったのだということを表しているというのです。

 この占星術の学者たちは、当時のユダヤの王、ヘロデのもとに立ち寄ってイエス様の誕生の情報を得ようとしますが、ベツレヘムということしかわかりませんでした。ベツレヘムのどこ?、このことについて人間(ヘロデ王)からは期待した情報がないままでしたが、星の導きによって東方の学者たちはキリストに出会うことになるのです。ユダヤのことはユダヤで聞けばわかるというわけにはいきませんでした。それもそのはず、キリスト誕生の出来事は、全てにおいて人間の思いでは到底はかることができない神の導きによって、その真実に出会うこと以外に道はなかったのでした。もっと言えば、神の側が私たちの側に会いに来てくださった、それがクリスマスの真実なのです。本当の喜びを与える神の愛がここに満ちあふれているのです。

 一方、神の真実に至ることができないヘロデ王の側は、占星術の学者たちがもたらす情報を待って、人間の愚かな計略を始めようと企てます。「キリスト殺害計画」です。ヘロデ王は自分の立場を脅かす存在の抹殺を図ろうとするのです。それを神はご存じで、占星術の学者にお告げを与えて、彼らに別な道を通って帰っていくよう導いたのです。彼らの道は、予定にも計画にない新たな道を神によって示され、歩み出すこととなったのです。

 キリストと出会うこと、それはとってもスペシャルなことなのです。それは人間の努力の結果とは違います。神の側からその人の人生に関わることを指し示しているのです。神がなさることと出会った東方の国の学者たちが、神の導きによって思いもかけない新たな道に踏み出していったことは、私たちにも大切なことを教えているのです。そう、私たちはキリストの降誕を知り、そのお方と出会う時が来ている。その時に私たちの人生は転換の局面を迎えるのです。クリスマスは神が共にいる新しい人生のスタートそのものなのです。皆さんの上に、このクリスマスに祝福が豊かにありますように。そして素晴らしい年末を過ごし、新らしい年、幸いな新しい人生を迎えられるようにと祈ります。

(宗教主任 久保木 崇)