【日曜メッセージ】「 なすべきことはただ一つ 」(修了礼拝)

Date:2026.03.22

「なすべきことはただ一つ、後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ、 神がキリスト・イエスによって上へ召して、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです。」

(フィリピの信徒への手紙2章13~14節)

 2025年度の学校生活の締めくくりを迎えました。関わり支えてくださった多くの方々に感謝しながら過ごしたいものです。皆さんは喜びと幸せを実現し、誰かにそれを届ける人に向かって成長できたでしょうか。ふりかえってみてこの1年は皆さんにとってどのような年でしたか。達成の年、成長の年、手応えを感じる年でしたか。もしかすると、苦しんだ年、悩んだ年、迷った年であった人もいるかも知れません。同じ1年間、同じ学び舎、同じことを共有して過ごしましたが、その意味はきっと一人一人違うのでしょう。それぞれの1年を振り返る今、聖書の言葉に目を向けてみましょう。

 聖書は言うのです。全身を向けて、神の与えてくださる目標を目指してひたすら走ことこそがただ一つのなすべきことだと。そして今日の聖書の言葉は私たちに「後ろのものを忘れ」というのです。さてそんなことが私たちにできるでしょうか。私たちの今の姿は過去を積み上げて成り立っているのに、聖書はなんて無茶なことを言うのかと思う人もいるでしょう。忘れたい過去なら忘れる努力もできるかも、気にも留めないような些細なことなら忘れることができるかも。しかし、人生には忘れられない大きな経験や記憶がたくさんあるではありませんか。きっと、私たちは変えられない過去を背負い、必死で今を生きているのに、そう思う人がいるでしょう。

 でも聖書は言うのです。前のものに向かって目標を目指してと。神が約束してくださる賞を得ることを目標に、私たちの全ての過去を、この目標に向かう力とするべく焦点を当てる。私たちは今、全てを前に向ける必要があるのです。この手紙の書き手はそのことを痛いほどに思う人でした。その人パウロは、過去に徹底的にキリストを否定し、迫害の限りを尽くした人そのものだったのですから。しかし、そのパウロにイエス・キリストは出会ってくださり、全くその人生を変えたのでした。消えない過去をこれからに向けて、すなわち神がなさろうとしているこれからに向けることを実現してくださったのです。神が与えた経験と記憶、全ての事柄の意味を、目指すべき目標にフォーカスする時、私たちは後ろのものを忘れ、前に向かって進むことができる。そしてどんなに険しい道でも突き進む私たちの全力を、神が支えてくださる。ここからの高校生活を、そして人生を走りぬくために、神はあなたと一緒にいてあなたの背中を押されるのです。

 さあ2026年度を目指して前進して行きましょう。

(宗教主任 久保木 崇)