2026年度 入学式 校長式辞
Date:2026.04.08
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また保護者の皆さま、ご家族・ご親族の皆様、おめでとうございます。本校は、皆さんと共にこの学び舎で迎える新しい「春」を心待ちにしておりました。改めて、皆さんのご入学を心より、祝福したいと思います。
本日ここに、学校法人酪農学園・髙島理事長、酪農学園大学・岩野学長、西村PTA会長をはじめ、多くの来賓の方々のご臨席を賜り、入学式を執り行うことができました。数ある高校の中で、本校を選んでいただいたことに感謝すると共に、入学生皆さんに備わっている多くの可能性を見出し、更なる「成長」への支援の重責を感じています。
本校は、キリスト教主義教育を実践しており、その建学の精神は、神を愛し、人を愛し、土を愛すという「三愛精神」と健やかな大地は、健やかな食を生み、健やかな生命(いのち)に繋がり、その循環を持続的に育み続け、より善い社会を形成していくという「健土健民」です。この2つの理念は、本校のあらゆる教育活動の中心となります。聖書に記された言葉から、人生を生きるヒントや道標を得、自身にも他者にも愛情と尊敬をもって接し、違いを受け入れて、共に成長していくことを示し、そうして成長した人々は、関わる環境それぞれに改善と改革を促し、より良い「健土」を築き、より良い「健民」となり、健やかな人生を送ることをその本質としております。また、建学の精神を具現化し、本校の使命や存在意義を明確に示すべく、スクール・ミッションを掲げています。それは、『「喜び」と「幸せ」を提供できる人間の育成』です。どのような考え、どのような発言、どのような行動が、自分自身にも他者にも「喜び」や「幸せ」を提供できるのか?一人ひとりの価値観等が違う中では、それぞれの喜びの形や、幸せの形は、当然、異なります。この問いに唯一と言える正解はある意味では、無いのかもしれません。しかし、人間はたった一人だけでは生きてもいけません。家族、友人、クラス、学校、地域社会、そして、世界等、自分以外の誰かと関りを持ち、生活をしていくことが大前提となる中では、「どうすれば、お互いがうまくいく」のかを常に念頭に置く必要があることも事実です。つまり、他者を思いやる発言や行動には、愛情や尊敬が伴わなければ、「喜び」や「幸せ」には決して繋がりません。このことは、まさに本校の建学の精神である「三愛精神」の体現そのものに他ならないと考えますし、これらの事が、本校が、3年間、全校を挙げて、皆さんに伝えていくことの1つです。
さて、先ほどの聖書朗読の際にも触れましたが、本校の今年度の年度聖句を次のように設定しました。新約聖書マタイによる福音書5章16節『あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。』この聖句は、イエス・キリストが弟子たちに対して行った説教の一節で、「あなたがたは地の塩である」「あなたがたは世の光である」と語った結びの言葉です。これはわれわれ一人ひとりが、愛や真理、希望や平和を示す存在であり、善い行いをすることで、関わる人たちに善い影響を与えるという善い生き方の指針を説いてもいます。すなわち、私たち一人ひとりが、自らの価値を自覚し、互いの違いを受け容れ理解し、他者が喜び、幸せを感じることができる発言や行動を実践することで、大いなる喜びや幸せ、そして、愛情を共有できる「輪」が広がり、浸透していくことを示しています。是非、この事を心に留め、高校生活やその後の人生を送ることを願っています。
近年、世界各地では、紛争・戦争が勃発し、平和が脅かされているニュースが頻繁に報道されています。テクノロジーの進化もより加速度を増し、変化が激しく、先行きが不透明かつ不確実な現代社会において、「未来」を予測することはこれまで以上に難しくなっています。学び方や働き方、そして生き方への価値観も多様化し、インターネット上には数多くの情報が溢れ、むしろ自らの将来を思い描くことが難しくなっている側面もあるかもしれません。そうした状況下で、「未来の自分のあるべき姿」を考えるためには、まず、「自分の現在地」を見つめることが重要となります。「どういう自分でありたいのか?」「何を大切に感じているのか?」「努力は足りているのか?」等、自らを客観的に見つめ直し、自らに問いかけながら、やがて自分自身の「あるべき姿」を見つけ出してください。
また、日常生活の中に、皆さんには数多くのチャンス(機会)が与えられています。ただ、このチャンスに、気づけるかどうか、また生かせるかどうかは、しっかりと「準備」をしているかどうか、そして、一歩を踏み出す「勇気」を持っているかどうかにかかっています。挑戦したいことがあるのは素晴らしいことですが、ただ頭の中で考えているだけでは、物事は何も進みません。失敗という「壁」に阻まれようとも、乗り越える「準備」と、突き進む「勇気」を持ち合わせることで、成長のための数多くのチャンスに気づき、また生かせると考えます。新しく何かを踏み出す時は、大人であっても躊躇する時があります。それは、「失敗」や「周囲の評価を気にし過ぎる」等が阻害要因となりがちですが、まずは、自分を信じてください。このこと自体が、皆さん自身を支えます。うまくいかない日があっても、迷う日があっても、時に寄り添える人たちの助言を得ながら、自分の可能性を疑わず、生活してください。
「答え」や「正解」は、すぐに見つかる訳ではありませんし、他者が導き出す「答え」と「正解」とが必ずしも一致する訳でもありません。しかし、自らを信じ、自らの夢や目標に向き合い、自らに問いかけ、試行錯誤を繰り返しながら、高校生活や今後の人生を積み重ねていく。その先に、誰のものでもない、自分自身の「答え」と「正解」にたどり着くことができるのです。
本日、入学生の皆さんに、先ずお伝えしたいことが、これらのことです。常に頭と心に留め、新しく出会う仲間たちをはじめ、皆さんが関わる全ての人々に接してください。その積み重ねの先に、自分自身にも他者にも、「喜び」と「幸せ」を提供できる人間へと育っていくことを願っています。
最後に、保護者の皆様、ご家族・ご親族の皆様に申し上げます。新入生にとって、これからの高校3年間は、多くのことを見聞し、考え、人間的な成長を遂げながら、新しい自分を発見し、自らが理想とする「将来」へ向けた始まりとなります。しかし、我々は知っています。その道の途上には、楽しさだけではなく、苦難や艱難も待ち受けていることを。そして、同時に希望も待ち受けていることも。人生の先輩として、ご家庭でも、時に厳しく、時に冷静に、時に温かく見守り、最適な助言をお願いいたします。生徒たちの大いなる成長のためには、生徒・保護者・教職員の共通理解と連携は不可欠なものとなります。私たち教職員全員も、本日入学を許可いたしました未来ある若者たちに、愛情と尊敬をもって接し、成長のために全力をあげることをお約束いたします。
新入生の皆さんが、充実した高校生活を過ごすことを願って、式辞といたします。改めて、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
2026年4月8日
酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校
校長 石川 和哉
