新入生、在校生そして保護者の皆様へ ~校長からのメッセージ~

Date:2020.04.06

2020年度 始業、入学に際してのメッセージ

 

新入生、在校生そして保護者の皆様へ

 

酪農学園大学附属
とわの森三愛高等学校長 西 田 丈 夫

北海道は、まだ桜のつぼみも堅く、春本番の訪れにはもうしばらくの時間があるようですが、本州から伝わる満開の桜の風景に、本来であれば心はずむ季節の到来です。
ご承知の通り、今春の日本の風景は、例年と異なり大きく様変わりすることとなりました。何より、新たな学校生活を心待ちにしていた新入生の皆さん、そしてお子様の成長を温かく見守られていた保護者の皆様の心中を思うと、このようなかたちでの新年度を迎える判断に至ったことに、心よりお詫びを申し上げます。
また、その思いは、新2、3年生の生徒の皆さん、保護者の方々も同様であり、様々な意見がある中の判断であったことにご理解を賜りたく存じます。
思い起こせば、昨年末以来、「外国の話、クルーズ船の中」と、どこか他人事のようにとらえていた「新型コロナウイルス禍」、少々の心配はあったものの、まさかこのような事態に至るとは、恥ずかしながら推察に及びませんでした。結果として、その対策が不十分となったことにつながりました。
北海道は、いち早く緊急対策を実施した成果もあってか、一時期の混乱はありませんが、それも外国からの観光客の激減、全道一斉の休校対応等があってこその結果と思われます。

4月となり、北海道は一年で最も躍動する時期となります。人の動きも当然活発化し、休校措置も暫時緩和されますが、感染リスクは増大します。ここ当分は、備えを十分に図る必要性が高まります。
北海道の公立高校は、原則として4月より平常授業となりますが、本校は、5月の連休まで原則登校を控えることとしました。本校の特徴として、全道、全国からの生徒が集まること、約250名の生徒が寮生活をおくること、また高校以上に全国から集う大学生と一部を共有することなどの理由で判断を致しました。
様々なご意見があり、大変苦慮した決断ではありましたが、万一の場合、行き場を失う生徒を作ることは絶対に避けなければならないとの判断です。どうぞご理解をお願い致します。
現在、この期間の学習教材を整備し、効果的に学習活動の遅延を防ぐこと、並びに危機管理対応の再整備を図っているところです。当分の間、生徒およびご家庭には大変ご迷惑とご心配をおかけしますが、すべては、生徒の健康と命を守り、結果的にはいち早い学校正常化を目指すことにつながることとご認識いただき、引き続いてのご理解とご協力をお願い致します。
また、特にネット、SNS上で心ないデマや、根拠無き噂、また、安易な言動により、不要な混乱や、偏見差別が起き、心痛める方々が大勢いらっしゃいます。このような事象は、本校の建学の精神には最もなじまないことであり、人の生き方として恥じるべきことです。この点におかれましても特段のご配慮をお願い致します。
五月、満開の桜の下で、晴れやかに始業礼拝、入学礼拝で皆さんを迎えたいと、心より願っています。(2020年4月6日発出)

以  上

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