【日曜メッセージ】「いかに幸いなことか」

Date:2020.11.01

「いかに幸いなことか、神に逆らう者の計らいに従って歩まず、罪ある者の道にとどまらず、傲慢な者と共に座らず、主の教えを愛し、その教えを昼も夜も口ずさむ人。」

(旧約聖書・詩篇1篇1~2節)

聖書は多様なジャンルで書かれていて、その中には詩もあります。150編もの詩がまとめられたのが詩編です。読書の秋に、「いかに幸いなことか」から始まる一編の詩を紹介しましょう。「幸い」とは、常に人間が追求していることで、「幸い」になるには様々な方法があります。今日の詩は「幸いなこと」は「主の教えを愛し、その教えを昼も夜も口ずさむ人だ」と人生の方向を示しています。「聖書」は主の教えを記した書物です。聖書を読んで心でいいなと思うだけでなく、その教えをいつも覚えていることによって、神様の愛のうちに生きていることを確かめ、それに従って歩むことができるのです。

10月31日は、1517年にマルティン・ルターがドイツで宗教改革を始めたことを記念する日です。ローマ教皇が贖宥状(免罪符)を発売したことへの批判によって始まった教会の改革運動は、社会変革にまで拡大し、当時のヨーロッパ全体に変化をもたらしました。その時ルターは、この免罪符の間違いをなぜ民衆は気づかないのかを考えます。民衆が聖書を自分たちの言語で読めないことに問題を感じたルターは、ラテン語という特別に難しい言葉で書かれていた聖書を、誰でも読めるドイツ語に訳したのでした。当時発明された印刷術はこのドイツ語の聖書を多くの人に届ける技術としても使われ、聖書が自由に読めるようになっていきました。こうして聖書が広まり、皆が主の教えを愛し、従うことができるようになったのです。「主の教えを愛し、従うその人は流れのほとりに植えられた木。その人のすることはすべて、繁栄をもたらす」と、詩人は語るのです。

ぜひ皆さん、聖書を読んでください。読みやすいお薦めは『箴言』です。格言を集めた、とても分かりやすい聖書です。全部で31章、1日1章読むと一カ月で読めます。その一節を心に刻んで、幸いな日々を過ごしませんか。

「聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。こうして、神に仕える人は、どのような善い業をも行うことができるように、十分に整えられるのです。」(新約聖書・テモテへの手紙Ⅱ 3章16~17節)

(朴 美愛 酪農学園宗教主事)