【獣医・理数コース】研修旅行報告

Date:2020.11.05

獣医・理数コース2年生が、10月26日(月)から4泊5日の日程で研修旅行に行っています。例年は沖縄へ行きますが、今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、道東方面(知床・阿寒・釧路)へ行きました。

●1日目(10/26)
朝7:30に新千歳空港に集合し、飛行機で女満別空港へ。到着後は貸切バスでウトロへ向かいました。最初の研修地である知床自然センターは世界自然遺産の区域内にあり、獣医師の方からヒグマの生態や人間による餌付けなどの問題について講演を聞き、野生動物とどのように関わるべきか考えました。その後、ヒグマが生息している地域を歩いた後、知床八景の一つであるフレペの滝を見て、知床の大自然を体感することができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●2日目(10/27)
午前中は船に乗って、車では行くことのできない知床半島の先端部分の断崖絶壁を海側から見る予定でしたが、高波のため残念ながら船が欠航。代わりに、近くを流れている川の河口で遡上するサケを探したり、知床博物館で知床の歴史や知床に生息する生物について学びました。午後は再び世界自然遺産区域に入り、ほぼ手付かずの自然を持つ知床五湖の散策。説明して下さったネイチャーガイドの方から、知床半島では山と海がいっしょに一つの生態系を作っていることを学ぶとともに、生物多様性の一端を垣間見ることができました。天候も羅臼岳の山頂もはっきり見えるほど回復し、エゾシカの群れも見ることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●3日目(10/28)
ウトロ(知床半島のオホーツク管内側)を出発し、知床峠を越えて羅臼(根室管内側)に入りました。午前中は船に乗って知床の自然を海から観察する予定で、この日は無事に出航することになりました。漁港から小型船に乗り込み、北方領土の一つである国後島の方向へ数十分進むと、イシイルカの群れや絶滅危惧種であるオジロワシなどを発見。また、船長さんの計らいで陸側にも接近し、前日かなわなかった知床半島の断崖絶壁も見ることができました。下船後、国後展望台を訪問し、北方領土問題について学び、過去の戦争が引き起こした悲しい出来事が今も目の前にあることを実感しました。昼食においしい海産物をたくさんいただき、広大な根釧台地を抜けて宿泊地である阿寒湖へ向かいました。

 

●4日目(10/29)
朝阿寒湖を出発し、午前中は阿寒国際ツルセンターへ。特別天然記念物であるタンチョウの生態と個体数の回復などについて学びました。また、同センターに猛禽類医学研究所の獣医師を招いて、シマフクロウやオオワシなどの猛禽類を取り巻く問題や保護活動などに関する講演を聞きました。講師は本校獣医進学コースを卒業し、酪農学園大学を経て見事に夢を叶えた安達獣医師。卒業生の講義を聞いて、獣医師を目指す思いを新たにすることができました。午後は釧路の市街地へ移動し、フィッシャーマンズワーフを見学したり、釧路市博物館で釧路の自然や歴史に触れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●5日目(10/30)
最終日は、畑や牧草地で餌をついばむタンチョウを見ながら、釧路市動物園へ。酪農学園大学獣医学部を卒業し、釧路市動物園でツルを担当されている飯間獣医師から、義足作成やリハビリなど、タンチョウのレスキュー活動についてお話を伺いました。野生動物の生活環境が変化している今日、新たに生まれてくる問題に対して獣医師として自ら考え実行することの大切さを学びました。午後は擦文時代の遺構である北斗遺跡の見学と、ラムサール条約に登録されている釧路湿原の散策。まだ魅力の尽きない道東地方でしたが、夕方の飛行機で釧路空港を後にし、新千歳空港に戻りました。

大きなトラブルもなく、恵まれた天候のうちに研修旅行を無事に終えることができました。研修旅行に送り出して下さった保護者の皆様、旅行にご協力下さった旅行会社やバス会社の皆様、どうもありがとうございました。