【校長メッセージ】 『新型コロナ禍』から「とわの森の教育」を守るために

Date:2020.11.19

2020年11月19日

 

『新型コロナ禍』から「とわの森の教育」を守るためのメッセージ

 

酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校長 西田 丈夫

                

時の経過は早いもので、今年も師走を迎えるころとなりました。思い起こせば、海外でのパンデミックにことを発し、クルーズ船での集団感染騒動などから早一年を経過しようとしています。この間、東京オリンピックの延期、甲子園大会の中止、様々な行事形態の変更を余儀なくされ、全国の教育にも大きな影響も生じる事態となりました。

本校教育においても、昨年度の卒業式中止に始まり、遠隔授業や課題による代替授業、今年度入学式の5月までの延期、高体連、高文連関係の大会中止や生徒が楽しみにしていた学校祭も中止せざるを得ない事態となりました。この間、様々な思いを胸に押しとどめて、生徒とご家庭のご理解とご協力を賜り、本日まで新型コロナ感染による直接的な事象は回避してまいりました。心よりお礼と感謝を申し上げます。

しかしながら、現在の急速な感染者拡大、夏までは少数に限られていた教育機関での感染状況の変化、特に札幌圏での医療体制の状況等を鑑みるとき、本校としても次の体制を整える必要があるとの認識に至りました。

特に、200名を越える生徒を抱える寮において、罹患者を抱えた場合の対応は、極めて困難な状況となります。さらにクラスターが発生した場合、冬季休業や年末年始の帰省も困難な状況となり、施設内での隔離や場合によっては公共交通機関の利用制限下におかれることも想定されます。

この事態を踏まえて、昨日、当面の対応を発出(ホームページ)させていただいた「寮生の早期帰省」等のお願いとなりました。本校としては、時期尚早、過大対応等のご意見は十分承知のしているところですが、いわゆる「空振り」を恐れず、年末年始から、入学試験、卒業式、今後予定されている各クラブの全国大会参加、そして入学式を滞りなく迎えるために、苦慮の末の判断とさせていただきました。

また、今後の状況により、全校生徒にも、臨時休校や様々な制限の中での教育活動をお願いすることとなる可能性があり、その際には、最善の努力は全校体制のもと実施しながらも、行き届かない点や不都合が生じることが想定されますが、「新型コロナウイルス禍からとわの森三愛高校の教育を守り抜く」視点から、特段のご理解とご協力をお願いいたします。

最後に、万全を期しても、見えないウイルスを完全に遮断することは、現実には不可能です。万一の罹患者が本校関係者から生じても、非難すべきではありません。その時、万が一にも、誹謗中傷に加担し、ウイルス以上に人々を苦しめる事態は絶対に避けなければなりません。見えないウイルスとの闘いは困難ですが、見える人間の行動は、隣人愛を以て理解し合えば闘いは不要です。大きな課題に直面する私たちに、不要の労力を費やす余裕がないことを、人類共通の認識とすべき時であることを、僭越ですが申し添えさせていただきます。