【日曜メッセージ】「 空の鳥、野の花 」

Date:2021.04.11

「思い悩むな。・・・あなたがたの天の父は、これらのものがみなあなたがたに必要なことをご存知である。

(マタイによる福音書6章32節)

 

4月は様々なところで、新しい歩みがスタートします。何か新しいことを始めようとする時、私たちには希望と同時に、不安や悩みがつきまとうものです。上記の聖書の言葉は、イエス・キリストが群衆に向けて山の上から語られたとされる「山上の説教」の一部です。この山上の説教がなされた当時、イスラエルのガリラヤ地方には、強制移住させられた人々や、土地を持たない人、季節労働者や小作農、放浪者のような貧しい人など、生活が不安定な人が多くいたとされています。そのような人々に向かって、空の鳥や野の花を見習うべきだと、イエス・キリストは語ります。「自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、また自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。・・・空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。・・・野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。・・・今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ6章25〜30節)そして、「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。」(33節)と教えます。

現代社会の中で、私たちは様々な悩みを持って生きています。また、生活していくためにお金を稼がなければなりませんし、いろいろな課題を乗り越えていかなければなりません。そのような私たちにも、復活のイエス・キリストは聖書を通して語っています。一番大切なことは「神の国と神の義」を求めることである、と。「神の国」とは、神が支配する愛と平和と喜びの世界です。「神の義」とは、十字架による罪の赦しを意味します。これらを生きていく第一の目標とするなら、私たちの生活や体に必要なものは用意される、また様々な悩みはやがて解決されていく、そのように聖書は教えています。

今週から新しい学校生活が始まります。北国にも春が訪れ、鳥のさえずりが聞こえ、草花が見受けられるようになってきます。空の鳥、野の花を見るとき、イエス・キリストの言葉を思い出して、神の国と神の義を目指して歩んでいきましょう。

(宗教部長 渡邊 淳)