【日曜メッセージ】「 カーネーション 」(花の日礼拝)

Date:2021.06.20

「 草は枯れ、花はしぼむが わたしたちの神の言葉はとこしえに立つ 」

イザヤ書40章8節

 

毎年、「花の日」礼拝に綺麗な花が飾られます。お見舞いや大切な記念に花を贈り、受け取った人は花の美しさに心を重ね素敵な真心に包まれましょうか。

花の日礼拝は米国の教会で始まります。日本の学校と違い、年度末は6月頃。教会学校の一年間の聖書の学びの締括りに牧師の提案で1856年6月第二日曜、家に咲く花を最寄り礼拝堂に飾り、子ども祝福式をもったのが始まりです。その花を祝福式の後に皆で近くの病院や消防署、警察所、福祉施設に日頃の感謝を込めて届けました。それは子どもの学びと、地域を支える人々の励ましとなりました。日本は明治中頃で、教会やミッションスクール行事となってゆきます。

シスター渡邊さんはイエス様の心に重ね「置かれた場所で咲きなさい」と言いました。花の美しさの向こうに神様の恵みを感じながら、そう語ったのです。75歳の星野富弘さんは、24歳の中学体育教師の6月17日の水曜日に、生徒の前でバク転に失敗し首の骨を折り、首から下が動かなくなります。病床で聖書に出会い、口に絵筆をくわえ作品を書き続けます。作品には花が描かれ、詩が添えられています。「わたしは傷を持つている でも その傷のところから あなたのやさしさがしみでてくる」は私の好きな詩です。彼は花を見つめながら、聖書の言葉から気づかされたのです。傷を負ったこの自分のために、人生のすべてを捧げ尽くそうとする母親のまごころ、その忍耐の凄さに心打たれたのです。母が活けてくれた枕もとの花を見ながらこの詩が書かれました。

『カーネーション』は5月第二週「母の日」に用いる花で1907年に米国の教会で、教会学校教師の母の命日に、娘が呼びかけ教え子が集まり教会で記念会を持ち、その際に母の好きなカーネーションを飾ったのが始まりです。その3年後、母亡きあと自分たちを育てたのは父だからと白いバラを飾り、6月第三週が「父の日」となりました。

花の美しさの向こうに皆さんは何を見るでしょうか。花はすぐに枯れます。けれど聖書の人々は花の美しさの向こうに神様の心を読み取りました。いにしえから受け継がれてきた聖書の言葉、「草は枯れ、花はしぼむが わたしたちの神の言葉はとこしえに立つ」 を今日の心に留めたいのです。

(野幌教会牧師 福島 義人)