【日曜メッセージ】 「 境界線 」
Date:2021.09.12
「およそ鍛錬というものは、当座は喜ばしいものではなく、悲しいものと思われるのですが、後になるとそれで鍛え上げられた人々に、義という平和に満ちた実を結ばせるのです。」 (ヘブライ人への手紙12章11節)
私たちが幸せに生きるために、正しい人間関係を築く必要があります。心理学者のアドラーは、「人間の悩みは、すべて人間関係の悩みである」と言っています。人間関係を良好に保つために、自己と他者との「境界線」を確認することが大切であると言われています。
境界線問題には次のようなものがあります。
・嫌なことをする人に「ノー」と言えない。
・自分自身の破壊的衝動を抑えられない。
・他者の「ノー」に耳を貸せない。
・より価値のあるものを得るために、目の前にある欲しいものを我慢することができない。
・無責任な人や有害な人に惹かれ、自分がその人を「直して」あげようとしてしまう。
・本当なら他人の責任であることを、自分が代わりに請け負ってしまう。
・他者に容易に操られたり、支配されたりする。
・他者と親密な関係が築けず、築いてもそれを維持することができない。
・親しい人に対しても本音を出せない。
・他人との間に問題があるとき、直接話し合って建設的に解決することができない。
・いつも被害者意識があり、自制心を伴う意義ある生き方ができない。
・何らかの依存症や強迫観念がある。
・生活に秩序がなく混沌とし、物事を成し遂げることができない。
これらの問題は、あらかじめ予防することが必要です。境界線は、健全で円滑な人間関係の鍵となります。自分の責任を真に自覚している人は、次の事柄を自分の境界線の範囲内であると認め、他者に支配権を渡すことなく、自ら適切に管理します。
「感情・態度・行動・選択・限界・才能・考え・願望・価値観・愛情」
これらの事がらは、何よりもまず自分自身の問題であるという自覚が大切です。しかし、自分の問題として物事を考えていくとき、辛くてもやらなければいけない場面があります。そのような時、「およそ鍛錬というものは、当座は喜ばしいものではなく、悲しいものと思われるのですが、後になるとそれで鍛え上げられた人々に、義という平和に満ちた実を結ばせるのです」とあるように、最初は大変かもしれませんが、それを乗り越えて実を結ぶ物になってほしいと思います。
皆さんは、自分の「分」と他人の「分」を正しく区別して、豊かな実を結ぶ人生を歩みたいと思いませんか?
( 農業科 西川 謙 )