【日曜メッセージ】 「 狭い戸口から入りなさい 」

Date:2021.11.14

「狭い戸口から入るように努めなさい。…そこでは、後の人で先になる者があり、先の人で後になる者もある。」        

(ルカによる福音書 13章2230節)

教会の暦でクリスマス前第7週を迎えました。今日は、イエスさまがどのような人であったのか、また、イエスさまの思いは具体的にどのようなことなのか、と思いめぐらせたいと思います。ルカによる福音書のイエスはクリスマスに馬小屋で生まれ、十字架にかけられるまで、苦しんでいる人を大切にする人です。イエスの思いは、全人類が救われて喜びに入ることです。そこは、命を愛すること。隣人を自分のように愛すること。平和を造り出すことです。「神の国・天の国」と呼ばれます。

物語はイエスが十字架にかけられ殺されるエルサレムに向かっている時のことです。弟子たちは少し浮かれた質問をイエスにしている。イエスは自身に起きるこれからの恐怖を想像しながらも「狭い戸口から入るように努めなさい」という。「神の国をつくる努力をしなさい」と語っている。「狭い戸口」はマタイによる福音書では「狭い門」と言われ、ルカでは、イエスや弟子たちが旅をしながら見てきた大きな門ではなく、身近な生活の場である「戸口」としている。ルカが伝えるイエスは庶民的な、私たちの身近にいるイエスです。イエスはすすんで人々の中に入り込んで、一緒に生活していた。イエスさまが人々と特に苦しんでいる人と「神の国」を一緒に造り出そうとしていた事が想像されます。その行動力は「インマヌエル」、神は我々と共におられる、ことをイエスが信じたからでしょう。

全人類の救い・喜びがテーマのはずですが、物語には外に投げ出された人がいる。神の宴会には入れない人です。「そこでは、後の人が先になる者があり、先の人が後になるものもある。」と締めくくられている。これは、入れなかった人も入れることができると言うことです。イエスが教えてくれたことのなかに、『門を叩きなさい。そうすれば、開かれる』と言う言葉があるのですから、私たちが神の宴会に入りたければ、何度も何度も開けてもらえるまで叩き続ければ開けてもらえる、と聖書は語っています。私たちは今、すぐに行動が出来なくても「求めなさい。門を叩きなさい。」と、イエスさまの言葉は今日も、私たちのなかで生きて働かれていることを思いめぐらせたいです。

( 聖書科 松竹谷 はる )