【日曜メッセージ】 「 私たちの道の光 」

Date:2021.12.05

「あなたのみ言葉は、わたしの道の光 わたしの歩みを照らす灯」

 (詩編109編105節)

 暗い夜道を歩くには、光が必要です。私たちの人生も、先行きが不透明であるということを考えると、夜道を歩いていくのと似ているかもしれません。そうであるなら、私たちの人生を照らす光が必要です。

アドヴェントに入りましたが、アドヴェントとは待降節とも言い、キリストの降誕を待ち望む期間で、クリスマスまでの4週間をいいます。クリスマスはイエス・キリストの誕生を記念する日ですが、聖書にはその時の不思議な出来事が記されています。イエス・キリストが生まれたベツレヘムという町から約2000キロも離れた現在のイラクのあたりから、占星術の学者たちが幼子のイエス・キリストを礼拝しに来たというのです。

イエス・キリストが生まれる600年ほど前に、イスラエルという国は新バビロニアという国に占領され、多くのイスラエルの人々は新バビロニアの首都バビロンに強制的に移住させられます。その人々を中心に、救い主を待ち望む信仰が盛んになります。そのような背景のもと占星術の学者たちもまた、救い主の到来を待ち望んでいたのでしょう。彼らは旧約聖書の預言を信じ、星の導きによってイエス・キリストのもとにやってきます。「東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て喜びにあふれた。」とマタイ福音書に記されています。彼らは、救い主に会うことを人生の目標として、生涯をかけ、ついに目標を達成することができました。その人生の成功を導いたのが、星の光でした。長く辛い旅であったでしょう、しかし、彼らは最後まで星を頼りに、星を信じ続けました。そして、喜びにあふれたのです。

私たちの人生にも、それを照らす光があるのだ、その光を信じ、光のもとに歩むならば、その人生は喜びにあふれたものとなる、そう聖書は語ります。そして、その光とは、聖書に記されている「言葉」なのだ、と主張します。「あなたのみ言葉は、わたしの道の光 わたしの歩みを照らす灯」 (詩編109編105節)。あなたのみ言葉とは、神の言葉である聖書の一つひとつの言葉を指しています。喜びに満ちあふれるために、私たちの人生を照らす光であるこの「聖書の言葉」を信じ続けていきたいと思います。

 

( 宗教部長 渡辺 淳 )