【日曜メッセージ】 「 忍耐と感謝 」

Date:2022.03.13

「農夫は、秋の雨と春の雨が降るまで忍耐しながら、大地の尊い実りを待つのです」

(ヤコブの手紙5章7節)

 

世界で一番美しい言葉は「ありがとう」だそうです。これは魔法の言葉で、どんな人にも笑顔と優しさを起させます。今日3月9日は三と九のサンキュウから「感謝の日」です。日本語の「ありがとう」は古くはお釈迦様が説かれた盲亀浮木(もうきふぼく)の譬えに由来、有ることが難しい「有り難し」が変化した言葉です。「ありがとう」の反対語は「当たり前」なのだそうです。たしかに豊かさに飽きている人に心をこめた贈物をしても、その思いを感じてくれるか怪しいものです。けれど本当に慰めを必要とする人には、どんなにささやかであっても「ありがとう」の言葉は心に沁みるものです。

忍耐を強いられる人には、不思議に感謝を感じる豊かな心が与えられます。コロナ感染防止のためで大切な行事が中止の連続でした。まるで料理人が心を込めて作った料理を突然の中止で、自ら処分しなければならない理不尽な辛さや忍耐を、生徒も教師も保護者も何度も経験してきたと思います。そんな状況で語られた聖書の言葉が「兄弟たち、主が来られるときまで忍耐しなさい。農夫は、秋の雨と春の雨が降るまで忍耐しながら、大地の尊い実りを待つのです」なのです。

徒労に終わることなどありません。その忍耐はやがて収穫の時に本物の「感謝の心」と共に与えられます。「忍耐と感謝」の心、それを神様から与えられるお恵みとして覚えたいのです。今年度最後の学校礼拝です。この一年間も忍耐を強いられた学び、本当にご苦労様でした。感謝の心をもって終えたいと思います。新年度、皆様の上に神様の祝福を祈りいたします。

日本基督教団野幌教会 牧師 福島 義人