【日曜メッセージ】 「 鼻と花 」

Date:2022.06.19

「光は暗闇の中で輝いている」

ヨハネによる福音書1章5節

 

飾られた花の中に皆さんは何をかんじるでしょうか。2003年にSMAPが歌いメガヒットした『世界に一つだけの花』があります。作詞作曲の槇原敬之さんの個人的な或る思いがあると聞きます。私には「ぞうさん」の歌が伝える内容と、どこか通じると思っています。

「ぞうさん」の作詞者は「まどみちお」というクリスチャン。少年の頃に教会に通い熱心に聖書を学び、「ぞうさん」の歌にも聖書の心が反映されます。長い鼻も短い鼻もある。神さまが創られたものに無駄などありません。みな大切な存在です。違いを責めるのでなく、むしろお互いが唯一のかけがえのない存在として神様が創られた素晴らしさに目を向けさせましょう。

「鼻」違いで恐縮ですが、花の日礼拝の由来は今から150年ほど前の米国の教会で始まります。教会学校の生徒たちが一年間の学びを大人の前で披露し、持ち寄った花を近くの病院の患者や福祉施設に贈りました。

その頃に画家ゴッホがいました。失敗と挫折の生涯。若い頃は父と同じ牧師を志し、変人扱いされ心が暗く沈む中、息子を案じる父の手紙に触発され旅に出て、「ひまわり」の美しさに慰められそれが絵となります。

実は今日の聖書「光は暗闇の中に輝いている」はゴッホが愛した聖句です。花は暗黒の土の中で待ち続け、ようやく咲きます。暗黒の中に輝く神様の光です。大きな花も小さな花も、見劣りする花もあります。けれど何一つ無駄にはなりません。神様が供えた自然の見事な調和の中に咲き、気落ちする私たちの目に、心に潤いを与えます。虫たちの頑張る姿も見えてきます。

花々にも示された神の恵みの豊かさに触れたいのです。

 

日本基督教団野幌教会 牧師 福島 義人