【日曜メッセージ】 「 聖書の授業をしていて思うこと 」

Date:2022.07.03

「聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。」   

(テモテへの手紙二 3章16節)

 

皆さんにとって「聖書」とはどんなものでしょうか。私は、聖書は「自分の心を磨く書物」「心を成長させるもの」だと考えています。

聖書には3つの特徴があります。1つめは、その名称です。聖書は英語で「the Bible」と言いますが、Bibleとは本来「本」という意味です。それが大文字で始まり、theも付いているので、「本の中の本」、つまり「最も権威のある本」であることを示しています。聖書は「世界のベストセラー」で、現在のような聖書が完成した西暦100年頃以降、約2500の言語に翻訳され、約1900年間ずっと読まれて続けています。

2つめは、その著者です。実は、聖書は1冊の本ではなく、66巻の書物をまとめたものです。その66巻は、約1500年に渡り、さまざまな場所で別々に書かれました。著者は約40人いて、その背景や職業は、王様、政府の高官、祭司、漁師、農民、羊飼い、医者など、実に様々です。

3つめの最も重要な特徴は、その統一性です。異なる時代に、異なる場所で、異なる人によって書かれたにもかかわらず、66巻の書物には不思議な統一性があります。古い時代に王様によって書かれた書物と、新しい時代に医者によって書かれた書物に、共通するものがあるのです。それは、40人の著者の背後に、本物の著者である神がいるからです。聖書は神が40人の著者を導いて、その人たちの特徴を活かしながら、それぞれの書物を執筆させたのです。

聖書には、私たちを慰め励ます言葉、やるべきことを示す言葉がたくさんあります。私は高校生の時に、親友に紹介された三浦綾子さんの小説を通して、聖書の言葉に出会いました。その聖書の言葉から「人間とはどのような存在なのか」「どのように生きるべきか」などを考え始めました。皆さんもぜひ若いうちに、できるだけ多くの聖書の言葉に出会ってください。そして、これからの人生でつまずき、悩み苦しんだ時、「ああ、こういう聖書の言葉があったなあ」と思い出してほしいのです。聖書はあなたの人生を導く光、人生の糧です。

 

「あなたの御言葉は、わたしの道の光わたしの歩みを照らす灯。」

(詩編119編105節)

「青春の日々にこそ、お前の創造主を心に留めよ。苦しみの日々が来ないうちに。『年を重ねることに喜びはない』と言う年齢にならないうちに。」                     

(コヘレトの言葉12章1節)

 

英語科・聖書科 池田 淳郎