【日曜メッセージ】 「 平和をあなたがたに 」
Date:2022.08.21
平和礼拝Ⅰ
「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。」
ヨハネによる福音書14章27節
キリスト教世界の人々は心が騒ぎ怯える時、教会の鐘が聞こえると不思議に心が慰められると聞きます。
フランスの画家ミレー『晩鐘』の絵は、夕闇迫る中、教会の鐘に合わせ、馬鈴薯畑の真ん中で静かに手を合わせ祈る敬虔な二人の夫婦の姿を描きます。時はクリミア戦争終結の頃。繰返す戦争への不安は農村にも及びます。ロシアとの闘いの中、フランスからも若者が戦場に送られ死んでいます。英国ナイチンゲールの献身的医療活動もありました。夕暮れ迫る不安な心を教会の鐘の「福音の調べ」が夫婦を平和と希望への祈りへと導き、祈ることの大切さをも示す絵でしょうか。
今年も敗戦77年目の原爆の悲劇を覚え、広島では梵鐘が、長崎では教会で用いる鐘が鳴らされ、犠牲者と平和を祈り1分間の黙祷がありました。戦争は人の心を悪魔に代えます。ロシアのウクライナ侵攻から半年。インターネットは目の前の惨劇を映し出します。
平和主義者も召集令状1枚で強制的に軍人にさせられ殺戮の道具となるのが戦争です。悪魔が心に入り「平和や正義の闘い」があるかのように思わせます。だから繰返し戦争の愚かさ悲惨さを覚える大切さがあります。
江別にも戦争の傷跡が残ります。市役所前に639名の戦死者を刻む石碑が立ち、平和の大切さを訴えます。 今年も鐘の音に合せ平和への祈りを献げたいのです。
日本基督教団野幌教会 牧師 福島 義人