【日曜メッセージ】 「神の国(キウィタス デイ)」

Date:2022.09.11

「わたしの国は、この世には属していない。・・・わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。」

ヨハネによる福音書18章36、37節

 

イエス・キリストの宣教活動の第一声は「神の国が近づいた」でした。神の国の到来によって人々に喜びが訪れたのだというのが彼のメッセージの中心です。国際関係が悪化する中、イエス・キリストの言う「神の国」をとおして、私たちはどのような国を目指すべきなのか、平和を実現するためにどうしたらよいのか考えたいと思います。

神を冒涜したかどで裁判にかけられたイエス・キリストは、ローマ総督ポンテオ・ピラトに対し「わたしの国はこの世には属していない」。そして、「わたしは真理について証をするために生まれ、そのためにこの世に来た」と答えます。このところから、聖書の言う神の国は、現在の世界に見える形で存在するものではないということがわかります。聖書の別の箇所でイエス・キリストは、「神の国は、見られるかたちで来るものではない。また『見よ、ここにある』『あそこにある』などとも言えない。神の国は、実にあなたがたのただ中にあるのだ」。(ルカ福音書17章21節)と言いました。つまり、私たちが目指すべき神の国は、わたしたち一人ひとりの心のあり方によって、心のつながりによって、同じ志を抱くものたちの中に存在するものである、ということです。そして、神の国の王は、真理について証をするイエス・キリストであり、イエス・キリストこそが神の国の唯一の指導者である、このように聖書は語ります。

神の国とは、イエス・キリストに倣う生き方をする人たちによって実現されるものです。「剣を取るものは皆剣で滅びる」イエス・キリストはこう言いました。武力に対して武力で、暴力に対して暴力で応じるものたちではなく、愛なる神を信じ、その戒めである、自分を愛するように隣人を愛しなさい、これを実践するものたちによって神の国は建設されていくのです。三愛主義に立って、様々なところで本当の聖書が語る「神の国」の建設のために前進していきましょう。

宗教部長 渡辺 淳