【日曜メッセージ】 「 お見舞いセット 」

Date:2022.10.02

「息子、娘、男女の奴隷、あなたの町にいるレビ人、寄留者、孤児、寡婦などと共にこの祭りを喜び祝いなさい。… あなたの神、主があなたの収穫と手の業をすべて祝福される」

申命記16章14~15節

  

 収穫感謝礼拝の由来は四百年前、英国から新大陸に到着したメイフラワー号の人々が不慣れな土地で飢え苦しむ中、先住民から作物の種と栽培を教えてもらい、収穫物を先住民を招き感謝礼拝を献げたことでした。

先日の道新のコラム「お見舞いセット」を見ました。スーパー経営の若い社長がコロナ感染で自宅療養の高齢者を覚え、食材を詰合せた「お見舞いセット」を考え販売したところ、全国で注目され、各地で次々商品化、自宅療養の人に喜ばれ、「若き三代目の社長の視線には苦楽を共にする地域の人々がいる」と記されました。「お見舞い」とは「舞を見に行こう」から生まれた言葉と聞きます。病気の家があると「舞を見に行こう」と収穫物を持ち寄って病人の家を訪ねます。当時の治療は巫女さんに悪霊を退散してもらうことでした。持ち寄った収穫物は巫女さんの治療代とし、残りを病で苦しむ家族に渡すのです。困ったときの相互扶助でした。

聖書の箇所も、神様から恵みを受けた者として、貧しくされた人々を忘れてはないことを記します。そんな思いをもって神様から受けた恵みを分かち合うことができるなら、素晴ら収穫感謝の時となりましょうか。

5月30日㈪の2時頃に学校前の12号線を車で走っていると、皆さんが田植えをする姿を見ました。それからは通るたび稲の成長を見るのが楽しみとなりました。でも土作り、苗造り、田植え、害虫予防に除草、追肥・水抜きと大変だったと思います。でもそれは神様からの恵みの賜物です。それは私たちに愛の心を起こす「お見舞いセット」の一つかもしれません。収穫物を前に神様の恵みを感謝し、分ち合う機会としてほしいのです。

 

日本基督教団 野幌教会牧師 福島 義人