【日曜メッセージ】「本当の幸福」

Date:2023.04.24

今週のメッセージは、学校礼拝メッセージからです。

「心の貧しい人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。」

(マタイによる福音書5章3節)

今日の聖書には、本当の幸い、幸福についてのイエス・キリストのメッセージがあります。その中には、人の目には苦しかったり、辛かったり、我慢を強いられているように見えることも幸いだといわれています。どういうことなのでしょうか。

ここにでてくる人の姿は、人の立場から見た姿ではなく、神との関わりにおいてどのような人か、すなわち神から見てどういう人なのかが表現されているのです。心が貧しい人々とは、霊(たましい)の欠乏に気づき、それを満たすことができる神に頼って、神に求める思いが豊かな人を指しています。神への信頼によって支えられる人のことなのです。そして、天の国はその人たちのものだと聖書は約束するのです。それは神からその人たちのために与えられるものなのです。

悲しむ人々とは、神とのかかわりにおいて背いてしまう自分、つまり聖書の語る人間の罪の性質を悲しむ人の姿を指しています。このことを神は放っておくことをなさいません。神はその悲しみを、愛によって、神の犠牲によって慰めてくださるのです。続く言葉、「柔和な人々」も、「義に飢え渇く人々」も、「憐れみ深い人々」も、「心の清い人々」も、「平和を実現する人々」も、「義のために迫害される人々」も、神にあって幸いなのです。そこにも神からの、そしてイエス・キリストからのメッセージがあります。私たちの生活の現実の中に、神との関りがあることに気づく時、私たちは神と今、向き合っているのだということを知るのです。

神は遥か彼方で見下ろしているお方ではなく、あなたのそば近くにおられ、あなたの今を知るお方です。あなたの心の叫びを聞かれる方なのです。神は、今日もあなたの心に近くいて、満たし、励まし、力づけてあなたの歩みを幸いに導き支えてくださいます。神と共にいる。今週もこの幸いを感謝して、日々を過ごしましょう。

(宗教部長 久保木 崇)