【日曜メッセージ】「 心を入れ替えて 」

Date:2023.07.03

「自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。」

(マタイによる福音書18章4節)

「偉い人」とはどういう人のことでしょうか。高い身分や地位にあること、権力を持っていること、才能があること、富を持つこと、他の人を圧倒するものを持っている人は、偉い人と言えるのかもしれません。しかし、私たちが本当に「偉い人」とすべきはどのような存在か、聖書は驚きのイエス・キリストの答えを記録しています。

弟子たちは、イエス・キリストに、「だれが、天の国でいちばん偉いのか」と尋ねます。この「偉い」という言葉はもともとの聖書の表現では「最大」とか「より大きい」という意味の言葉が使われています。この質問に対して、イエス・キリストは、子供を近くに呼び寄せて弟子たちに言われたのです。「自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。」と。天の国においては「小さく」て「低い」ものこそが「最大」で「より大きな」ものであるということを言われたのです。正反対の答えに神の国の真理が表されているのです。

子供のように「小さく」「低い」存在は、自分の弱さや不十分さを素直に受け止め、頼ることを知っています。自分で何でもできているのではなく、守られていること、支えられていること、助けられていることをそのままに感謝して受け止めることができる存在なのです。そこに真実の神に対する謙遜があるのです。

聖書は教えています。イエス・キリストによって、私たちは神の子供として生かされている。私たちが偉いのではなく、全ての人を生かす神がおられることを謙遜に受け止める心を持つことこそが大切であることを。そうすることで、イエス・キリストにあって相手を受け入れ、相手を尊敬し共に歩むことができる。自分の高慢な思いを捨て去って、心を入れ替えること、そして相手を受け入れるところに「神の国」はあるのです。

(宗教部長 久保木 崇)