【日曜メッセージ】「 さあ、ベツレヘムへ行こう! 」 (クリスマス礼拝)

Date:2023.12.28

「羊飼いたちは、『さあ、ベツレヘムに行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか』と話し合った。」  (ルカによる福音書2章15節)

 世界の人々が、喜びと愛を分かち合うクリスマスです。その最初のクリスマスは、どうだったのでしょうか。

「救い主がお生まれになった」と大きな喜びが告げられた羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムに行こう」と、自分たちの希望をその目で確かめようと出かけます。大切な知らせは一般的に、大切な人に最初に知らせるはずです。その人が羊飼いだったと聖書は記録するのです。旧約聖書時代の羊飼いは平凡な職業でありましたが、イエス様の時代は『罪人』と嫌われ、3K(きつい、きたない、きけん)の職業でもありました。『救い主、メシア』の生まれた場所も、神殿がある立派な町エルサレムではなく、田舎の小さな町ベツレヘムでありました。それも、救い主は家畜小屋で生まれ、飼い葉桶に寝かされていたのでした。家畜小屋は、羊飼いは勿論、誰でも入りやすい場所です。これは、「救い主」が民全体のために、羊飼いのようにいやしい姿で生まれたことを現わしているのです。

喜びの知らせを告げた天使に天の軍勢が加わって、「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」と賛美しました。「救い主」のお生まれは、神の愛が現れた神の約束の実現であり、「神に栄光」を現すことなのです。同時に「地には平和、御心に適う人にあれ」と続きます。この平和とは当時の人々が望んでいた戦争のない状況や強国の支配がないというだけではなくて、人の罪深さ、寂しさ、貧しさ、悲しみ、苦しみ、痛みなど、すべてのことから自由にされる、まことの平和のことなのです。

ベツレヘム!田舎の小さな町は、お生まれになった救い主と神の御心に適った羊飼いたちとの出会いと礼拝の場となり、最初のクリスマスの場になりました。今の時代を生きる私たちにも、救い主と出会って礼拝するための「ベツレヘム」が一人ひとりにあるはずです。私たちも「さあ、ベツレヘムに行こう!」。本来のクリスマスの喜び、希望、平和と愛を味わい分かち合いましょう!そして、クリスマスの喜びと共に希望に満ちる新年を迎えましょう!

(酪農学園宗教主事 朴 美愛)