【日曜メッセージ】「 愛があってこそ 」

Date:2024.02.18

「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。」 コリントの信徒への手紙Ⅰ 13章4~7節

震災の痛手を乗り越えるべく、今日も必死に生活を立て直し、復旧と復興を目指しいる方々のことを思いつつ、私たちは祈り、礼拝をささげたいと思います。

今日は、私たちの学校の建学の精神の中心、愛の真実を語る必要に迫られています。私たちの周囲や社会を見渡した時、愛ではなく、悪の影響の方が目立つことを感じることはありませんか。悪の方に力があるかのように見える現実の社会を、皆さんはどう見ていますか。

被災地でも、悲しい報道があります。防犯が呼びかけられているのです。防犯カメラの設置が必要だというのです。窃盗被害があるのです。皆で耐え、苦労も不便も分かち合い、すべてを分け合っているのに、かすめ取ろうとする犯罪行為がある。ボランティアに紛れて、業者の姿に変装して、いや、消防隊や自衛官、役所の人間を装うものまでいるというのです。不安が募ります。

今、必要とされているのは、善なる行いだと誰もが思っているこの時、その中心に「愛」があることの大切さを聖書は語りかけています。聖書が語る愛は、神の愛です。それゆえに愛は完全なものなのです。逆に愛がなければ不完全、いや中身のない空しいものとなってしまう。どんなことでも愛が欠けていればそれは善意に見せかけた欺瞞、悪意にすらなってしまうのです。

本校の建学の精神は、「神を愛し、人を愛し、土を愛す」です。その根幹は愛です。愛の完全な姿を神が実践されました。何も見返りを求めない、一方的な犠牲に立つ愛。この神の愛を「アガペー」と言います。まず、神の方から私たちを愛してくださっている。このことに立って私たちは、三愛主義を実践するのです。あなたはとわの森三愛高等学校の一員。神の愛がその土台、あなたの心にその種は既にまかれ、芽が出て成長しているのです。神の愛に満たされて私たちが愛を示すこと、それこそが愛の行動・実践なのです。愛のための行動ではなく、愛による行動があなたを突き動かすのです。

(宗教部長 久保木 崇)