【日曜メッセージ】「 愛と尊敬をもって 」(始業礼拝)

Date:2024.04.07

2024年度 年度聖句

「兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。」

(ローマの信徒への手紙12章10節)

2024年度のはじめに、私たちは、神を愛し、人を愛し、土を愛すという「三愛主義」と「健土健民」を建学の精神として掲げる酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校に、神によって呼び集められたのだということを確認したいと思います。聖書は教えます。聖書の語る神を、私たちが「天の父」と呼ぶことができることを。そのことは、神の子イエス・キリストによって実現されたことで、私たちが祈る時にも、聖書からのメッセージを聞くときにも、いつでもそのことに感謝して過ごすのです。すなわち私たち人間は、天の神を父とする兄弟姉妹なのです。神は私たちを神の愛の中に招き入れ、この学び舎に私たちを呼び集めたのです。まず神が私たちを愛してくださった。全てはこのことから始まっているのです。

だからこそ私たちは、神の愛を受けて、互いに愛し合うものとなることができます。この関係は、人間関係の根幹なのだと聖書は教えています。愛は私たちを結ぶ原点なのです。その私たちに、今年の年度聖句は、お互いを尊敬することの大切さを教えます。私たちは一人ひとり違っている人間です。育った環境も違い、価値観も違い、容姿や性格も違い、関心も違い、得意な分野も違い、趣味も違う私たちが、一つ所に集まっているのは、神の導きによると私たちは信じています。この違いに目を向ける時、皆が自分の方が優位なものと考えるとどうなるでしょうか。そこにはお互いの間で譲れない主張と対立とが生じてしまうことにならないでしょうか。自己中心な思いとなったり、虚勢を張ったりすることはありませんか。一方で、同じく違いに目を向けながら、相手を優れたものだと思う心を持っていたならば、それは尊重と高め合いをもたらすことになるのではないでしょうか。あなたが誰かを優れた存在だと思う時に、あなたも相手から優れた存在として認められていくということなのです。そこには平和と歩み寄りがあり、互いを高め合う関りが構築されるのです。ですから、それぞれが自ら進んで相手を尊敬するようにと教えるのです。人間関係の混乱や対立の多くの問題は、このことにより解決できるのではないでしょうか。

ここでその原点となるのが「愛」なのです。神との関係において、愛を出発点とすることで、人間同士も愛する関りを持つことができることを聖書は教えています。互いを愛することが、神が望まれることなのです。私たちは三愛主義と健土健民を掲げる酪農学園の一員です。この「愛」による実践を、この学校で、この学園キャンパスで実現するとともに、家庭、地域、社会において、そして世界においても実践できる一人ひとりでありたいと思います。今も続く世界の混迷混乱を私たちは間近に見ています。戦争があり、対立があり、災害があり、格差があり、差別があり、貧困があり、病があり、あらゆる問題を抱える現代において、私たちは「愛」をもって、共に生きる仲間を互いに尊敬しあうことで、問題の解決のために力を尽くす人となろうではありませんか。

ここから始まる一年の歩みを、神が祝福のうちに導いてくださいますよう祈りつつ。

(宗教部長 久保木 崇)

※今年度も日曜日ごとに、学校での礼拝メッセージの要約を配信いたします。ぜひご覧ください。