2024年度 入学式 学校長式辞
Date:2024.04.09
新入生296名の皆さん、ご入学おめでとうございます。また保護者の皆さま、ご家族・ご親族の皆様、おめでとうございます。本校を代表して、皆様のご入学を心より、お祝い申し上げます。
本日、ここに学校法人酪農学園 髙島理事長、酪農学園大学 岩野学長、野副 PTA会長をはじめ、多くの来賓の方々のご臨席を賜り、入学式を挙行することができました。数ある高校の中で、本校を選んでいただいたことに感謝すると共に、入学生皆さんの3年後の更なる「成長」支援の重責を感じています。
本校は、1933年に設立された「北海道酪農義塾」をルーツに持ち、その間、幾度かの統合等を経て、現在に至ります。建学の精神は、神を愛し、人を愛し、土を愛すという「三愛主義」と健やかな大地から生み出される健やかな食物によって健やかな生命が育まれるという「健土健民」です。言い換えるなら、聖書の言葉から、人生を生きるヒントや道標を得、自身にも他者にも愛情と尊敬をもって接し、違いを受け入れて、共に成長していくことを示し、そうして成長した人々は、関わる環境それぞれに改善と改革を促し、より良い「健土」を築き、より良い「健民」となっていくことをその本質としています。
さて、先ほどの聖書朗読の際にも触れましたが、本校の今年度の年度聖句を次のように設定しました。改めて、確認いたします。新約聖書ローマの信徒への手紙12章10節『兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。』
多様性の時代と言われている昨今、この聖句が示すメッセージはとても重要です。時代がどれだけ早く激しく変化したとしても、生きていくことそのものに変化はありません。これまでもこれからも、人々が豊かに生きていくためには、愛情と尊敬をもってお互い接し、それぞれの価値を認め合い、人間性を高めることに他なりません。そうして、互いに「喜び」と「幸せ」を共有できると考えます。これは、本校が最も重要視することの1つであり、建学の精神の具現化でもあります。今、少しだけこの場で思いおこしてみてください。現在の自分が、周囲の方々の愛情と尊敬に裏打ちされて、成り立ってきたことを、改めて実感できるはずです。そして、皆さん自身も、他者に対して、愛情と尊敬をもって接し、周囲の成長を促してきたはずです。
もう1つ。日常の中に、皆さんには数多くのチャンス(機会)が与えられています。ただ、このチャンスに、気づけるかどうか、また生かせるかどうかは、しっかりと「準備」をしているかどうか、そして、一歩を踏み出す「勇気」を持っているかどうかにかかっています。挑戦したいことがあるのは素晴らしいことですが、ただ頭の中で考えているだけでは、物事は何も進みません。失敗という「壁」に阻まれようとも、乗り越える「準備」と、突き進む「勇気」を持ち合わせることで、成長のための数多くのチャンスに気づき、また生かせると考えます。
本日、入学生の皆さんに、先ずお伝えしたい、そして、この先ずっと忘れないでいてほしいことが、このことです。常に頭と心にとどめ、新しく出会う仲間たちをはじめ、皆さんが関わる全ての人々に接してください。その積み重ねの先に、自分自身にも他者にも、「喜び」と「幸せ」を提供できる人へと育っていくことを願っています。
最後に、保護者の皆様、ご家族・ご親族の皆様に申し上げます。新入生にとって、これからの高校3年間は、多くのことを見聞し、考え、人間的な成長を遂げながら、新しい自分を発見し、自らが理想とする「将来」へと近づくための旅や航海の始まりとなります。しかし、我々は知っています。その道の途上には、楽しさだけではなく、苦難や艱難も待ち受けていることを。そして、同時に希望も待ち受けていることも。人生の先輩として、ご家庭でも、時に厳しく、時に冷静に、時に温かく見守り、最適な助言をお願いいたします。生徒たちの大いなる成長のためには、生徒・保護者・教職員の共通理解、連携は不可欠なものとなります。私たち教職員全員も、本日入学を許可いたしました未来ある若者たちに、愛情と尊敬をもって接し、成長のために全力をあげることをお約束いたします。
新入生の皆さんが、3年後、また10数年後に振り返った時に、『今日この日が「新しい自分との出会い」の出発点だった』と胸を張って言える充実した高校生活を過ごすことを願って、式辞といたします。改めて、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
2024年4月8日
酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校
学校長 石川 和哉