【日曜メッセージ】「落穂ひろい」(収穫感謝礼拝)
Date:2024.09.29
「穀物を収穫するときは、畑の隅まで刈り尽くしてはならない。収穫後の落ち穂を拾い集めてはならない。」
レビ記 19章9節
収穫期を迎え日本中がホッとしました。米不足で買えない現実に、食料政策や生産者の過酷な状況や流通課題等を覚えたでしょうか。喉元過ぎればで、皆で食糧問題を考える貴重な機会を逸したようにも思えます。
けれどもウクライナやパレスチナ等、今も続く過酷な日常を想うと心が痛みます。聖書は飢え渇きや争いに疲弊する人々を覚えて、どうあるべきかを示します。
収穫を喜ぶ時にも飢え渇きに苦しむ人々を覚え、神様の恵みを分かち合う大切さを説きます。一緒に生きるためです。日本が大震災で苦しむ時に世界中の人々から支援を受けました。百年以上前に日本に助けられた歴史を覚えて支援する国が幾つもありました。諺の「情けは人の為ならず」の心が聖書にもあるのです。かつて画家ミレーは自暴自棄に陥る時、友人から田舎のバルビゾン村に行くことを勧められます。そこで聖書の心を大切に生きる人々の姿を見て描いたのが『落ち穂ひろい』(パリ オルセー美術館所蔵)の絵でした。収穫の一部を貧しい人々のために畑に残し、神に感謝し畑から受け取る人々の姿です。彼は深く感動し画家の再起を果たすのでした。
今82億人の1割が飢餓に苦しみます。かつてアメリカの先住民の人々と収穫を分かち合い、神に感謝して始まった収穫感謝礼拝の心を覚えながら、神様の恵みを感謝して分かち合う心を覚える時としたいのです。
(日本基督教団野幌教会牧師 福島 義人)
※収穫感謝礼拝として、今年、学園の農場で実習をして収穫した作物を壇上にささげての礼拝をしました。