【日曜メッセージ】「感謝しながらアドヴェントへ」

Date:2024.12.01

ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。

ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。

権威が彼の肩にある。

その名は、「驚くべき指導者、力ある神

永遠の父、平和の君」と唱えられる。   (イザヤ書9章5節)

 いよいよアドヴェントを迎えます。私たちがクリスマスを心待ちにする期間です。クリスマスはいつから準備されていたのでしょうか。イエスの母となるマリアに天使が現れて受胎告知をした時からでしょうか。そうだとしたなら、クリスマスの10カ月前から準備されていたということになりますね。でも、今日読んだ聖書箇所であるイザヤ書は、もっと昔に書かれたはずなのに、明らかにクリスマスのことを預言しているのです。紀元前700年ころのことです。ひとりのみどりご、ひとりの男の子、聖書に記されたこの預言がイエス・キリストのことであるということを、私たちはクリスマスを通して知っています。

 旧約聖書は、後からキリスト教徒によって都合よく書き換えられたものではないのかという人もいるそうですが、そんなことはないのです。聖書は手書きの写本によって受け継がれたものですが、考古学的な研究においてもその写本が書かれた年代が明らかにされ、そのこと自体が旧約聖書の内容の書き換えを否定する証拠となっています。さらに旧約聖書にイエス・キリスト降誕とその生涯についての預言は、300カ所にも及ぶとされます。その中にはイザヤ書よりもさらに古い記録もあるのです。これはもはや偶然のできごとではありません。

 聖書は、お生まれになる方について「驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君」と呼ばれる権威ある方だと言っています。その方をお迎えした事実を、私たちはクリスマスにおいて毎年お祝いし、記念するのです。

 でも、もっと驚くべきことは、その降誕は「わたしたちのためなのだ」と聖書が指摘していることです。この出来事は神のためではなく、人のため(あなたのため)に神が実現したことなのです。神の側が犠牲を払ってでも人を救おうとされたのだというのです。わたしたちに光を与え、わたしたちを救うために、わたしたちに命を与えるために、クリスマスは実現したのです。すごいことでしょう。この神の御業を感謝して受け止めながら、いよいよ迎える待降節(アドヴェント)を過ごしていきましょう。

(宗教部長 久保木 崇)