【日曜メッセージ】「兄弟愛に愛を加えなさい」(修了礼拝)
Date:2025.03.23
「あなたがたは、力を尽くして信仰には徳を、徳には知識を、知識には自制を、自制には忍耐を、忍耐には信心を、信心には兄弟愛を、兄弟愛には愛を加えなさい。」
(ペトロの手紙Ⅱ 1章5~7節)
私たちはこの1年間を、兄弟愛をもって互いに愛すことをテーマに過ごしてきました。皆さんは、共に学んだ仲間を、家族を、地域の方を、お世話になった方々を、神様が与えてくださった兄弟として愛してきたでしょうか。相手の優れたところを見出すことができましたか。
ここで問われているのは、愛を現わすための実践です。頭の中で、心の中で、愛を知っていること、愛をわかっていることにとどめず、相手に対してその兄弟愛(フィラデルフィア)を実践するよう、励まされ、促されていたのです。あなたは兄弟愛を実践するひとりとして一年間を積み上げ、歩んだことに気づいているでしょうか。
今日の聖書は、この兄弟愛について、あらゆるよきものを重ねた上に、それを包み重ね合わせるものとして表現しています。私たちの兄弟愛は、よきものすべてに共に備わるものとして一つとする働きをするのです。信仰も徳も、知識、自制、忍耐、信心もすべてがあなたがたの持つ兄弟愛によって重ねられ、練り合わされたものとして形作られていきます。この兄弟愛を欠いては、本当の喜びである中身がなくなってしまいます。それ程大切なものだからこそ、兄弟愛はうわべであってはならない。表面上兄弟愛に見えるだけでは何の価値もないのです。そこに中身と実践が伴ってこそ真の価値があるのです。
そして聖書はそれらに加えて「備わるべきもの」として「愛(アガペー)」を語るのです。これこそが全ての根幹であることを私たちに教えているのです。アガペー、それは「神の愛」のことです。神の愛は無限の愛であり、無償の愛であり、見返りを求めない愛であり、神の犠牲の上に与えられる愛のことです。キリストの十字架による赦しと救い、そして三日後の復活によって、永遠の命という「神の愛」が私たちに与えられるという約束、そのことが全ての根幹となっているのです。その神の愛と共に、私たちは「三愛の実践者」としてこれからも歩んでいくのです。
(宗教部長 久保木 崇)